1137 まさか

断続的な浅い睡眠で濃いコーヒーを欲する朝だった。

この半年は安眠といえる日が一度もない。

部屋の異音に悩まされている。

きまって目が覚めるのは2時台で、部屋中をブーンという音が占めている。

そこから無理やり寝ようとするが、気になってしまい、どこからくる音なのか耳を壁や床にこすりつける。

寝付けない時間と格闘しながら、2つか3つの短い夢を見ながら5時台に目が覚める。

引越しするしかないかと口にしてスマホのアラームを消す。

最近はこのルーティンだ。

眠れていないことを心配した友人が電話をくれた。

「それって耳鳴りじゃない?」

「耳鳴り?」

「まわりでもそういう人けっこういるよ。更年期になると多いみたいよ」

「いやいや、そんなわけないでしょ、部屋中に響いているんだから」

「そっか」

その日は一日中家で仕事だった。

睡眠が取れていないわりには、なんだかやる気に満ち溢れ、リズムよく仕事を片付けていく。

耳鳴り。

やけにこの言葉が耳の中に残る。

「耳鳴り」という耳鳴りが続いていた。

耳鳴りのわけないでしょ、部屋の音は低音だし。

検索してみる ー 耳鳴り 低音 眠れない

<低音の耳鳴り(ブーン、ゴー)と眠れない症状は、ストレスや疲労による自律神経の乱れ、あるいはメニエール病や低音障害型感音難聴の初期サインかもしれません。>

検索画面の「AIによる概要」が説明してくれている。

いやいや、まさか、ねえ。

ひとり暮らしなので確かめようがない。

その日も2時台に目が覚めた。

耳鳴り?

寝付けず、ついついスマホに手が伸びる。

耳鳴り 夜 眠れない

1年近く部屋の異音に悩まされていた人が、実は耳鳴りが原因だったと投稿している文章があった。

耳鳴り。

もしそうなら、あれだけ騒いでいた自分が恥ずかしい。

・・・室外機ではないか、換気扇ではないか、除湿機ではないか、下の部屋ではビットコインのマイニングをしているのではないか。

まさか。

耳鳴りであって欲しい。

経営経験やコーチングの実践を通じて、深い対話により経営の選択肢を広げ、納得感のある意思決定をご支援しています。また、組織やチームの関係性を育む支援に取り組んでいます。3Cサポーター/中小企業診断士
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