『あなたを変える行動経済学』(大竹文雄著/東京書籍)
行動経済学(経済学+心理学)に関する本です。
行動経済学の入門書という位置付けです。
サンクコスト、錯視、参照点、損失回避、現在バイアス、ヒューリスティックス、アンカー、ナッジ、ピア効果等が事例とともに紹介されています。
本書は高校生への講義がもとになっており、身近なテーマとも絡めながらわかりやすく解説されています。
先延ばしをしたがる傾向として「現在バイアス」が出てきます。
人は目の前の事柄を過大評価してしまう傾向があります。
今この瞬間に重きを置いてしまうと、将来のことに適切な評価ができなくなり、目の前の小さな利益を優先してしまう。
夏休みの宿題がいい例です。
夏休みが始まると遊んでしまい「明日でいいか」となってしまう。
思い返すと、先延ばししてばかりでしたね(笑)
この「現在バイアス」への対処方法が出ています。
「締切は細かく分けて仕事をしたほうが、生産性が高くなる」(p.103)
9の仕事があったとしたら、全てを3週間後の締切日とするよりは、3の仕事を1週間ごとで締切日を設けた方がいいということですね。
これは仕事をする上で活用できますね。
自身の業務、プロジェクト管理、経営上の数字管理。
行動経済学は心理学も入るため考え方は面白いです。
ただ、専門用語が多く出てきますし暗記ものが多いという印象があります。
本をざーっと読むだけではなかなか覚えられません。
今までは、マーケティングの側面で行動経済学の考え方を学ぶ機会が多かったのですが、腰を据えて行動経済学を体系的に学んでみたくなりました。