0409 エフェクチュエーション

「起業」というテーマに触れる機会が増えてきました。

以前読んだ日経新聞の記事を思い出し、改めて読み返しました。

『思い立ったら まず起業』(日経新聞2024年2月14日)という記事で、「エフェクチュエーション」という起業手法の説明がありました。

この手法は、「手持ちのスキルですぐに始められる事業を立ち上げ、その後に経営方針を柔軟に変えていく。ターゲットの市場を定め、逆算して事業計画を練る従来手法とは対照的なアプローチ」です。

今できることでまずは事業を始め、動きながら出てきた結果を見ながら柔軟に変更していき、少しずつ自分の事業を固めていくといった感じでしょうか。

米国ではこういった手法が増えてきており、日本でも広がってきているようです。

エフェクチュエーションには5つの原則があります。

1. 手中の鳥
手持ちのスキルや技術を使って事業を始める

2. 許容可能な損失
負ってもよいリスクを先に決める

3. クレイジーキルト
布をつなぎ合わせるように仲間作りを進める

4. レモネード
レモンをレモネードにしてしまうように予期せぬ事態をチャンスに生かす

5. 飛行機のパイロット
飛行機を操縦するように状況をコントロールして柔軟に方向性を変えていく

この捉え方ができると起業へのハードルが下がりますよね。

「起業」というと、ハードルが高いといったイメージもあります。

事業計画もしっかり固め、資金もしっかり準備し、大きな決意のもとに邁進する。

そう考えてしまうとなかなか一歩が踏み出しづらいですよね。

その点、エフェクチュエーションの考え方ができると、多くの人にとって起業へのハードルは下がると思います。

記事の最後に良い指摘がなされています。

起業家を増やすだけでは中小零細企業の量産にしかならならず、どう企業を育てていけるかという視点も必要になると。

起業支援を行う側の立場では、この視点は忘れてはいけないと思います。

起業する人の立場に寄り添う際は、この部分は一旦脇に置き、まずは一歩を踏み出すことをサポートしていきたいです。

今後、エフェクチュエーションを少し深掘りしてみたいと思います。

35歳のときに40年以上続く会社を後継者として 事業承継を行い、6年間代表として経営に携わりました。代表を退任後は、中小企業の事業承継を支援しています。中小企業診断士/ビジネスコーチ
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