「起業」というテーマに触れる機会が増えてきました。
以前読んだ日経新聞の記事を思い出し、改めて読み返しました。
『思い立ったら まず起業』(日経新聞2024年2月14日)という記事で、「エフェクチュエーション」という起業手法の説明がありました。
この手法は、「手持ちのスキルですぐに始められる事業を立ち上げ、その後に経営方針を柔軟に変えていく。ターゲットの市場を定め、逆算して事業計画を練る従来手法とは対照的なアプローチ」です。
今できることでまずは事業を始め、動きながら出てきた結果を見ながら柔軟に変更していき、少しずつ自分の事業を固めていくといった感じでしょうか。
米国ではこういった手法が増えてきており、日本でも広がってきているようです。
エフェクチュエーションには5つの原則があります。
1. 手中の鳥
手持ちのスキルや技術を使って事業を始める
2. 許容可能な損失
負ってもよいリスクを先に決める
3. クレイジーキルト
布をつなぎ合わせるように仲間作りを進める
4. レモネード
レモンをレモネードにしてしまうように予期せぬ事態をチャンスに生かす
5. 飛行機のパイロット
飛行機を操縦するように状況をコントロールして柔軟に方向性を変えていく
この捉え方ができると起業へのハードルが下がりますよね。
「起業」というと、ハードルが高いといったイメージもあります。
事業計画もしっかり固め、資金もしっかり準備し、大きな決意のもとに邁進する。
そう考えてしまうとなかなか一歩が踏み出しづらいですよね。
その点、エフェクチュエーションの考え方ができると、多くの人にとって起業へのハードルは下がると思います。
記事の最後に良い指摘がなされています。
起業家を増やすだけでは中小零細企業の量産にしかならならず、どう企業を育てていけるかという視点も必要になると。
起業支援を行う側の立場では、この視点は忘れてはいけないと思います。
起業する人の立場に寄り添う際は、この部分は一旦脇に置き、まずは一歩を踏み出すことをサポートしていきたいです。
今後、エフェクチュエーションを少し深掘りしてみたいと思います。