0422 訪日旅行者にとって「適正な」価格とは何だろうか

訪日外国人旅行者が多くなりましたよね。

今年3月の訪日旅行者数は過去最高の300万人を突破しました。

円安も進行していますし、ますます海外からの旅行者が増えそうです。

仕事で浅草周辺に行くと訪日旅行者の熱気がすごいです。

コロナのときは本当にガラガラだったので、それが信じられないくらいです。

今日のNHK『日曜討論』は「訪日旅行者過去最多 これからの観光は」というテーマでした。

旅行者数増加に伴い、オーバーツーリズムも課題になっているといった内容でした。

出演者の一人がこんなことを仰っていました。

「日本は魅力のある国。円安の今だからこそ、付加価値をつけて値上げをしていくチャンス。」

確かに!

観光業で訪日旅行者をターゲットとしているなら、しっかり価値のあるものを「適正な」値段で提供していきたいですよね。

国内の宿泊費も高くなってきていると言われますが、世界的な水準からするとまだ低い方だという意見もあります。

「適正な」という部分がポイントで、事業者が考えている「適正な」と、旅行者が捉える「適正な」に乖離があるかもしれません。

想像している以上に自分たちの提供しているものの価値はもっと高いということはあると思います。

日本では当たり前のこと、例えばおもてなし。

これはすごい価値になります。

そこを加味するともう少し値段を上げてもいいかもしれません。

また、事業者が捉える「適正な」というのが、「円」を主体にしているということもあると思います。

このサービスは「〇〇円」だ、と。

日本で商売しているので当たり前といえば当たり前ですが。

ただ、旅行者は海外の通貨の感覚から我々のサービスを捉えるので、海外の通貨の感覚というのを価格に反映させていってもいいのではないかと思います。

例えば米ドルを考えると、コロナ前の2019年4月は1ドル=110円前後でしたが、現在は1ドル=158円まで円安になっています。

3割近く安くなっています。

提供しているサービスが同じであれば、逆に考えると、その分だけ値上げしても受け入れてもらえる気もします。

そもそも、円安なのでその価格を「割高」と考えないかもしれません。

付加価値がついているならなおさらです。

ただ値上げするのではなく、そこにひと手間加え付加価値を高めて値上げができるなら、「今がチャンス」というのはまさしくその通りだと思います。

訪日旅行者をターゲットとしていた知り合いの事業者さんは、コロナの際に撤退に追い込まれました。

やっと訪日旅行者が戻ってきました。

こういう状況だからそこ、価値あるものを自信を持って提供していきたいですよね。

そして「適正な」価格をつけることで、改めて自分たちの身を引き締める。

そういう流れができるといいのではないかと思います。

35歳のときに40年以上続く会社を後継者として 事業承継を行い、6年間代表として経営に携わりました。代表を退任後は、中小企業の事業承継を支援しています。中小企業診断士/ビジネスコーチ
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