0396 表面と裏面

物事には表面と裏面があります。

光があれば影がある。

見る角度によっては、全く異なる景色が浮かび上がります。

最近、放送大学の「地球温暖化と社会イノベーション」という講義を録画したものを見ています。

並行して、同時期に書かれた地球温暖化に関する本も読んでいます(『これがすべてを変える』(ナオミ・クライン著))。

講義は2018年度、本の原著は2014年に書かれたものです。

それぞれ現在の状況とは違っている部分もあるとは思いますが、基本的なことを理解するのに役立っています。

放送大学の講義で、シェールガス・シェールオイルに関して説明がありました。

シェール採掘により石炭への依存が減っていくのではないかと紹介されていました。

地球温暖化対策としてシェールへ前向きな捉え方をしているように感じました。

一方、ナオミ・クラインさんの本では、シェール採掘による問題点や地域への影響、地域住民からの反対運動などを大きく取り上げています。

シェールとは頁岩(けつがん)という薄く割れやすい堆積岩の層のことで、ここに天然ガスや原油があります。

水圧破砕法(フラッキング)という、圧縮した液体を流し込んで圧力をかけ生じた人工的な割れ目により石油やガスを抽出する方法が取られています。

これにはいくつかの問題点も指摘されています。

  • 地下水汚染:フラッキング液に含まれる化学物質が地下水に漏れ出し飲料水を汚染する可能性がある
  • 水不足:大量に水を消費することによる近隣社会の水不足
  • 地震の誘発:高圧の液体を注入することで地震が発生することがある など

水圧破砕法(フラッキング)を禁止する国や地域もあります。

放送大学の講義では問題点は紹介されていませんでした。

ちょうど同じタイミングでこのテーマの本を読んでいたので、物事には表面と裏面があるということを強く感じました。

シェールガス・シェールオイルに関してほとんど知識がなかったため、片方の情報のみで理解していたら印象が変わってしまっていたと思います。

知らないと一面からの見方で判断してしまう恐れがあり、それは怖いことだと感じます。

ニュースで流れる出来事も、しっかり表面と裏面があることを意識しながら見ていてきたいです。

35歳のときに40年以上続く会社を後継者として 事業承継を行い、6年間代表として経営に携わりました。代表を退任後は、中小企業の事業承継を支援しています。中小企業診断士/ビジネスコーチ
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