2023年版の「中小企業白書」にざっと目を通しました。
毎年、中小企業庁から出され、中小企業の経営状況、取り巻く環境、課題などがまとまっています。
2023年版では、物価高騰、人手不足、価格転嫁、賃上げ、事業承継、デジタル化、カーボンニュートラルなどのキーワードが多く出てきた印象です。
この中で、中小企業へ支援する人たち「支援機関」のことも述べられています。
支援機関には、商工会・商工会議所、よろず支援拠点、税・法務関係士業、金融機関、中小企業診断士などがあります。
支援機関からのサポートで、事業者の課題を明確化させ、一緒に課題解決に取り組むことの有効性が書かれています。
この中で考えさせられる部分がありました。
事業者のアンケートで、利用した支援機関のそれぞれの満足度が載っています。
金融機関への満足度が一番高いのですが、中小企業診断士(私もその一人)の満足度がかなり低いのです。
中小企業診断士は事業者との対話で経営全般での課題を整理し、課題解決への支援をすることを主な業務としています。
このアンケート結果では、多くの事業者が満足する支援対象として中小企業診断士が選ばれていないことを示しています。
中小企業診断士からの支援を受けたのに満足度が低いのか、そもそも支援を受ける機会が少なくアンケートで選択されなかっただけなのか。
近年、支援機関に求められる支援方法に「伴走型支援」というものがあります。
事業者(経営者)が自発的に課題解決に取り組めるように、「気づき」を与えながら一緒に支援をしていくアプローチです。
解決策を「教える」のではなく、解決策を事業者が自分で見出し動けるように「コーチング」していきます。
長い目でみるとこの方が効果が出ます。
このような効果的なアプローチで支援できるのも中小企業診断士の強みになります。
困っている事業者が多い中、手軽に中小企業診断士という専門家にアクセスできるようにならないといけないと思いました。
そして中小企業診断士からの支援で事業者が課題解決に前進できるよう、支援者として日々研鑽を積んでいかねばという気持ちにもなりました。