『民主主義とは何か』(宇野重規著/講談社現代新書)
「民主主義」に関してざっくり理解したいと思いこの本を手に取りました。
民主主義という概念が、古代ギリシャから現代までどのような変遷を辿ってきたのかが書かれています。
民主主義とは何か?
その基礎を押さえるには良い一冊だと思います。
民主主義は2500年の歴史があり、試行錯誤の連続で、多くの批判を受けてきた経緯があります。
そして、今はまだ発展途上にあると。
「近代において民主主義の具体的な制度化が進んだのは、この二世紀にすぎません。その制度が完成したものであるとは到底いえず、むしろ今後も試行錯誤によって制度を充実させていく必要があります。」(p.254)
私は、民主主義は「善」という考えを当たり前のように持ちながら生きてきました。
民主主義に対して批判もあり、課題点もあり、まだ発展途上にあるということがわかり、大変勉強になりました。
著者の宇野さんが本書の最後で、民主主義を考える上で考えておきたい3つの視点を提示しています。
1. 「公開による透明性」
政治において、何を議論し、どういったプロセスを経て意思決定に至ったのかなど、公開し透明性を持つことが大事である。
2. 「参加を通じての当事者意識」
自ら参加する。自分ができる範囲の中で、身の回りのこと、地域のことなどに当事者意識を持つこと。
3. 「判断に伴う責任」
政治は人や社会に大きく影響を及ぼすものであり、責任が伴う。
本書は、「民主主義とは何か?」を学ぶにはとても良い本だと思います。
少し時間を空けて、再度じっくり読んでみたい。
時間を空けて読み直したとき、理解できることが格段に変わっているような気がします。
そして可能であれば、この本をテキストに宇野さんから講義を受けてみたいと思いました。