『日銀の責任 低金利日本からの脱却』(野口 悠紀雄著/PHP新書)
この本を読むと、いかに政治家の話す内容、日銀の発表、ニュースなどから流れてくる情報のみを鵜呑みにしてはいけないかがわかります。
物事は違った面からも見ていかないといけないということに気付かされます。
2023年4月、日本銀行が新体制でスタートしました。
今まで行ってきた「異次元緩和」とは何だったのだろうか?
そんな疑問を持つことがあります。
バブル経済のとき私はまだ小学生くらいでした。バブル時期がどんなものだったのか、わかりません。
バブル崩壊後、日本経済はそれからずっと右肩下がり
そんなイメージを漠然と持っています。
「失われた30年」という言葉も耳にします。
ニュース等で見る、日本の世界における経済力の順位を見るたびに、複雑な気持ちになります。
GDPは世界3位。1人あたりGDPでは27位まで下がっています。
労働生産性はOECD加盟国38カ国中27位。
賃金がなかなか上がらない中で、物価は上がり、円安も進行している。
どうなってしまうのか?
そんな疑問を感じているとき、この本を書店で目にしました。
今までの日銀がどういった取り組みを行い、何がうまくいかず、現在の課題は何か、これからどういうことが求められるかを知りたくてこの本を読みました。
以下のポイントが印象に残りました:
・物価目標を設けること自体が適切ではない。取り下げるべき。 ・「異次元緩和の本当の目的が、物価ではなく、金利引き下げと円安だったと考えれば、すべてが整合的に理解できる」(p.142) ・大企業は円安で利益が増加した。仕入れ原価が上がっても価格へ転嫁できたからだ。中小、零細企業は価格転嫁が難しいため円安による経営はますます厳しくなっている。
経済理論を勉強したことはあるのですが、仕組みが難しくてなかなか理解しづらい。複雑に感じてしまうため、テレビから流れてくる情報をそのまま受け止めてしまいがちになります。
でも、経済って生活に直結しているものなので、本当はしっかり理解していかないといけないと思います。
この本は私には難しいところだらけですが、少なくとも、今後経済関連のニュースを見た際には、違った捉え方があることを意識していかねばという気持ちになりました。
日銀に関する本を他にも読んでみようかと思っています。
そして、再度この本も読み返し、基本的な内容をしっかり押さえていけるようにしていこうと考えています。