0085 『半導体戦争』

『半導体戦争』(クリス・ミラー著/ダイヤモンド社)

新聞を読んでいると、「半導体」という文字を見ない日はないくらい、半導体に関する記事が載っています。

半導体がどのくらい重要なものか知りたくてこの本を読みました。

電子機器に欠かせない半導体。70年以上前に発明され、その後、半導体がどう発展してきたかが書かれています。

半導体がどう我々の生活を豊かにしたかだけでなく、各国がどう政治的にも重視してきたかも理解できます。軍事面でも必要不可欠なものであるため、今後ますます半導体を取り巻く環境も変わっていくのでしょう。

半導体製造では、1つの国が自前で全てを作ることはできず、あらゆる面で他国へ依存している。そういった状況の中で国家間が争っている。

本書の序章のタイトルはこうなっています。

「原油を超える世界最重要資源」

いかに半導体が重要なものかがわかります。

「世界最先端といえる半導体は、たったひとつの企業のたったひとつの建物でしかつくれない。」(p.17)

台湾にあるTSMCです。

「世界最重要資源」の最先端技術が台湾に集中しているという構図があり、これが米国や中国といった大国の方針に大きく関わっている。

半導体という視点で世界情勢を見ていくのも非常に面白いと思いました。

本書は500ページくらいあり54章の構成です。各章は短く、半導体に関する流れを丁寧に追っているため、とても読みやすいです。

半導体の歴史を振り返りたくなったときに、参考書として見返したくなる本です。

35歳のときに40年以上続く会社を後継者として 事業承継を行い、6年間代表として経営に携わりました。代表を退任後は、中小企業の事業承継を支援しています。中小企業診断士/ビジネスコーチ
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