『小規模事業者持続化補助金』は自分で申請しよう!申請の流れを解説|「小規模事業者」向け

こんにちは、3Cサポートの平山です。

小さな会社やお店など「小規模事業者」が活用しやすい補助金の中で『小規模事業者持続化補助金』があります。チラシ作成、ホームページ作成、展示会への出展、試作品開発、店舗改装などにこの補助金が活用できます。

補助金の申請が難しいと感じる人も多いのですが、こちらの『小規模事業者持続化補助金』は自分でも申請がしやすいです。簡単な申請の流れをご紹介します。

目次

『小規模事業者持続化補助金』の申請前に確認する内容

補助金に申請しようと思ったら、まずは補助金がどういう目的で提供され、どんな取り組みを対象としているかをざっくり押さえます。

補助金の目的

補助金のホームページに目的が記載されています。「ガイドブック」には、このように書かれています。

小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です。

対象となる事業者

対象となる事業者は、「小規模事業者」です。

(「公募要領」より抜粋)

例えば、雑貨店を営んでいる事業者は「商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)」に該当するので「常時使用する従業員の数 5人以下」が対象になります。

対象となる事業と経費

対象となる事業は、販路開拓や生産性向上の取組です。

その中で対象となる経費一覧はこちらです。

(「ガイドブック」より抜粋)

活用事例を見るとイメージしやすくなります。

活用事例に「〇〇等」とあるので、これ以外の取り組みも対象になる可能性がありますので、詳しくは「公募要領」を確認しましょう。わからなければ、補助金事務局へ問い合わせると丁寧に教えてくれます。

申請枠

申請できる枠がいくつか用意されています。どの枠も「販路開拓」は共通ですが、プラスアルファで枠が変わります。どの枠で申請するかを確認します。

通常枠販路開拓
賃金引き上げ枠販路開拓 + 従業員の賃金を最低賃金より+30円以上に引き上げる
卒業枠販路開拓 + 「小規模事業者」の定義を超える従業員数まで雇用する 
後継者支援枠販路開拓 + アトツギ甲子園においてファイナリストに選ばれた事業者
創業枠販路開拓 + 「特定創業支援等事業の支援」を受けて創業 
インボイス枠販路開拓 + 免税事業者からインボイス発行事業者へ登録 

*年度によって枠が変更になることがあります

補助率と補助上限

申請枠により補助率と補助上限が変わります。

(「公募要領」より抜粋)

<参考>

「補助率」は、かかった経費のうちどのくらいの割合で補助されるかということです。

例)補助率 2/3の場合

使った経費: 90万円

補助される額: 60万円(90万円x2/3の割合)

「補助上限額」は、補助される上限額になります。

例)補助率 2/3  補助上限額50万円の場合

使った経費: 90万円

補助される額: 50万円(90万円x2/3の割合=60万円ですが、上限額の50万円のみ補助されます)

『小規模事業者持続化補助金』申請の流れ

1.「gBizIDプライムアカウント」の登録

申請には、電子申請と郵送による申請ができます。他の補助金の申請もしやすくなりますので、時間に余裕があるようなら電子申請をおすすめします。

補助金申請システム「Jグランツ」から申請するには、まず「gBizIDプライムアカウント」の取得が必要になります。

(gBizIDホームページ)

2.「公募要領」のダウンロード

補助金のホームページから「公募要領」をダウンロードします。

「公募要領」は不明な点等を確認する際に活用しましょう。

3. 申請書類のダウンロード

申請に必要な書類をホームページからダウンロードします。

主に必要となる申請書類:

  • 持続化補助金事業に係る申請書
  • 経営計画書兼補助事業計画書①
  • 補助事業計画書②
  • 補助金交付申請書
  • 宣誓・同意書
  • 決算書類(直近1年分)

申請書類を作成後、商工会議所から以下の書類をもらう必要があります:

  • 事業支援計画書
  • 事業承継診断票

4. 書類の作成

ダウンロードした書類を作成します。

5. 商工会・商工会議所への相談

作成した申請書類「経営計画書兼補助事業計画書①」と「補助事業計画書②」を管轄の商工会・商工会議所へ持っていき、内容を確認してもらいます。

内容に問題がなければ、「事業支援計画書」と「事業承継診断票」を発行してもらえます。

6. 申請

全ての申請書類を揃えて申請します。

このとき、必ずホームページに載っている「チェックリスト」を利用してモレがないようにします。

少しでもわからないことがあれば、補助金事務局へ問い合わせましょう。

『小規模事業者持続化補助金』の申請書に何を書けばいいか

申請書類の中で、「経営計画書兼補助事業計画書①」が一番難しく、作成に時間がかかります。

経営計画書と補助事業計画書のパートに分かれており、ここでどんなことを書けばいいかを簡単にご紹介します。

▼こちらも参考にしてください。
『小規模事業者持続化補助金』申請に必要な「経営計画書」と「補助事業計画書」の書き方

経営計画書

現在行っている事業について詳細を記入します。

  • 事業概要
  • 課題
  • 内部環境(強みと弱み)
  • 外部環境(機会と脅威)
  • 市場動向
  • 今後の目標 など

補助事業計画書

この補助金を活用してどのような取り組みを行うかを詳細に記入します。

  • 目的
  • 取り組み内容
  • 課題
  • 誰と取り組むか
  • スケジュール
  • 効果 など

『小規模事業者持続化補助金』の申請で困ったら

補助金申請の準備をしていると必ず不明な点が出てくるものです。

申請要件を満たしているのか?
申請書に何を書けばいいのか?
この経費は対象なのか?

少しでも不明な点が出たら問い合わせましょう。

補助金事務局へ問い合わせる

申請要件、申請までの進め方、必要書類などに関しては補助金事務局へ問い合わせましょう。丁寧に案内してもらえます。

商工会・商工会議所へ相談する

「経営計画書兼補助事業計画書①」の書き方で相談したいときは、管轄の商工会・商工会議所へ相談しましょう。相談員が計画書を確認しアドバイスしてくれます。

外部専門家へ相談する

補助金申請を支援している外部の専門家へ相談もできます。申請ノウハウが豊富なので的確なアドバイスが期待できます(通常、費用がかかります)。

『小規模事業者持続化補助金』の申請での注意点

補助金を申請する上で把握しておきたい注意点もいくつかあります。

審査があるので採択されるとは限らない

『小規模事業者持続化補助金』は申請したあとに審査があります。採択されるとは限りません。

申請書類の「経営計画書兼補助事業計画書①」が審査のキモになります。

採択後からの取り組みが対象

申請した取り組み内容は、採択されてから取り組み開始になります。採択結果が出る前に取り組んだ内容(支払った経費など)は対象にはなりません。

取り組み開始までに時間がかかる

申請してから採択結果が出るまで、2〜3ヶ月程度かかります。

事業を行っていると、3ヶ月も経てば経営環境が変わっていることも多く、取り組みたい内容も変わることがあります。

仮に補助金が採択されたとしても、3ヶ月前に考えていた内容のまま実行に移せるかどうかわかりません。

そういったことも理解した上で、申請してください。

まとめ

『小規模事業者持続化補助金』は比較的申請がしやすいため、外部専門家へ申請書類の作成を依頼するのではなく、自分で申請することをおすすめします。書く内容で困ったことがあれば、管轄の商工会・商工会議所の相談員から無料で支援も受けられます。

ぜひトライしてみてください。

補助金に関するご相談

35歳のときに40年以上続く会社を後継者として 事業承継を行い、6年間代表として経営に携わりました。代表を退任後は、自身の経験をもとに東京都を中心に中小企業の事業承継を支援しています。中小企業診断士/M&A支援機関登録/やまなし産業支援機構派遣登録専門家