放送大学の「地球温暖化と社会イノベーション(‘18)」という授業を視聴しました。
主任講師は六川修一さんと向井人史さんで、全15回の授業です。
<シラバスに記載されている講義内容>
温暖化に代表される地球環境問題は人類ならびに地球全体の問題である。これまで、温暖化の原因研究や将来の影響予測等とともに、緩和策・適応策に関する研究や議論がIPCCやCOPの場で長く行われてきた。そして、2015年COP21「パリ協定」が締結され、ようやく途上国、先進国が一丸となって、温度上昇の目標設定、緩和量の各国目標設定、資金提供、これらに対する観測、報告、評価などに向けて初めての一貫した方針が出された。本講座では、これまでの地球温暖化問題の研究の歴史とともに研究成果を整理した後、政府、企業、研究機関、市民それぞれの現在の取り組み内容を俯瞰し、この問題解決のために人類が取り得る行動とその可能性について考える。
テーマは、京都議定書、パリ協定、地球温暖化対策の課題、予測と影響、大気の観測、緩和、適応、日本の取り組み、産業界の取り組み、国際協力、ICT、市民としての参加などです。
テキストを読みながら視聴したので理解が深まりました。
講義の中で感動したところが2箇所ありました。
1つは、市民レベルの行動として、アイドリングストップを訴えかけたNPOの取り組みが紹介されていました。
当時は社会的にアイドリングストップへの理解も進んでおらず、アイドリングストップ機能のある車もないときです。
赤信号のときに運動員がプラカードを掲げ、運転手へアイドリングストップへの協力を訴えます。
はじめは抵抗する声もあったようですが、次第に「頑張れ」という声も掛けてもらえるようになったと。
その後、社会的にアイドリングストップへの理解が進み、アイドリングストップ機能を持つ車も発売されるようになりました。
NPOの代表の方のインタビューもあったのですが、その行動力に心を揺さぶられました。
2つめに感動したところは、最後の講義で主任講師2人から「Think Globally, Act Locally(地球規模で考え、足元から行動せよ)」という言葉があり、全体の講義がこの言葉で締めくくられたことです。
講師やスタッフの方達は、こういったプログラムを構築する中で受講者に何を持ち帰って欲しいかをすごく考えたと思います。
その集大成としてこの言葉を最後に持ってきたところに、みなさんの思いが伝わってくるようで、この講座を全部視聴して良かったという気持ちになりました。
本講義全15回を見終わって感じたのは、このように体系的に何かを学ぶというのは大変有意義なことであるということです。
講義の中で関心が薄いテーマも出てきます。
でも、飛ばさずにしっかり見ていると、見終わったあとに思いがけない気づきを得ることもあります。
本講義でもそういう箇所がいくつかあり、大変学びの多い時間になりました。
放送大学のチャンネル(BS)でこういう講座が無料で見られるというのは、大変ありがたいことです。