0391 行ってしまえばいい

「生命には本来、時間も、空間も、数量も、大小、上下もないのです。」

立花大敬さんのご著書『神様の壺』(本心庵)の中に出てくる言葉です。

人は多くの制限を自ら作ってしまう。

「もう歳だから」

「学歴がないから」

「地位がないから」

立花さんは心を制限してしまう種類を8つ挙げています。

  1. 時間にこだわる限定
  2. 空間、距離にこだわる限定
  3. 大小にこだわる限定
  4. 数量にこだわる限定
  5. 上下、聖俗にこだわる限定
  6. 有無にこだわる限定
  7. 生死にこだわる限定
  8. 自他にこだわる限定

これらの自己制限(自ら描いた制限)があると自由になれないと言います。

禅の公案が紹介されています。

公案:「千里向こうのロウソクの火を消してみよ」

普通は遠くにあるロウソクの火なんて消せないと思ってしまう。

この解答は・・・。

解答:「その場で勢いよくロウソクをフッと吹き消す動作をする」

「千里」という距離が自己制限になっているとこういう発想はできない。

距離という限定を取り払うことができれば、それは現実化する。

面白いですね。

私は、ここ最近多くの自己制限でがんじがらめになっていました。

年齢を気にしたり、知識・スキルの有無を気にしたり、人と比べたり、理想と現実で悶々としたり。

立花さんのこの言葉で自分を見つめ直す機会になりました。

こんなことを思い出しました。

20年以上前、私はアメリカで演技の勉強をしていました。

好きな役者のひとりはロバート・デ・ニーロさん。

デ・ニーロさんが『Inside the Actors Studio』という演技を学生の前で語る番組に出演しました。

当時、その番組を録画し何百回も繰り返し見ていました。

学生から質問があります。

「役者として成功するコツを教えてください」

デ・ニーロさんはこう答えます。

「役者で成功しようと悩んで悩んで、もがいてもがいてとなるよね。そこへ届かないと思うこともあるかもしれない。でも、その場所へ行ってしまえば良いんだよ。信じられないかもしれないけど、そこに行ってしまえばそこに行けるんだ。」(意訳)

この言葉が印象的だったので今でも覚えています。

先ほどの立花さんの本を読んでいたとき、このデ・ニーロさんの言葉を思い出し「ハッ」としました。

実は、デ・ニーロさんは立花さんと同じことを言っていたのではないかと。

行ってしまえばいい。

行けばそこに行ける。

そこには「距離」という限定がない。

20年以上経ってやっと意味がわかりました。

35歳のときに40年以上続く会社を後継者として 事業承継を行い、6年間代表として経営に携わりました。代表を退任後は、中小企業の事業承継を支援しています。中小企業診断士/ビジネスコーチ
ホーム
記事
検索
雑記メモ