『賢明なる投資家』(ベンジャミン・グレアム著/パンローリング)
今年から新NISAが始まり、最近では日経平均が4万円を突破したと話題になっています。
投資に関する基本的な知識を持っていたいと思っている中でこの本に辿り着きました。
1949年初版で古典的な本と言われており、いろいろな本でも紹介されています。
「投資」と「投機」の違いをはっきりさせています。
「投資とは、詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動を指す。そしてこの条件を満たさない売買を、投機的行動であるという。」(p.32)
「投機家の最大の関心事は、株価の変動を予測してそれによって利益を得ることであり、投資家の最大の関心は、適切な証券を適切な価格で取得して保有することである。」(p.192)
そして、こうも述べています。
「投機をしたければ、最終的には恐らくカネを失うであろうことを覚悟し、すべてを承知の上でやりなさい。」(p.170)
著者はこの「投資」と「投機」の違いを土台にし、投資をする際の考え方を述べています。
株価がその株式の価値より安いとき、そのときが買いになる。
ではその価値をどう判断するか。
「過去10年かそれ以上にわたってその企業が安定した収益を上げていること、言い換えれば赤字の年がないことに加え、将来起こり得る低迷に備えた十分な規模と財政的な力があることを確認しなければならない。」(p.154)
考え方がシンプルで、すっと理解できます。
当然長期的な視点で投資をするわけで、一時の株価の変動に一喜一憂する必要もない。
マーケット関連のニュースを見ていると、株が上がった下がった、その要因はあれやこれやと毎日繰り返しています。
多くは「投機」という観点での情報なのではないかとさえ思ってしまいます。
本書は今の私には少し難しく、興味の持続という点でも、読み進めるのに時間がかかりました。
もう少し投資に関する知識が増えたときに、再度読んでみたい本となりました。