最低賃金1500円
昨日、岸田首相が、30年代半ばには最低賃金を1500円にすると表明しました。
今年度の最低賃金改定額の全国平均は昨年から43円増の1004円です。
毎年同じくらい増えていくと、12年後には1500円になります。
向こう10年間は社会全体の賃上げ傾向が続きますね。
中小企業では価格転嫁が一層大事になりそうです。
国がこの目標を示したことで、社会全体として「先々に渡って賃金は上がっていく」という雰囲気になるのでしょう。
事業者が価格転嫁をせざるを得なくなり、「物価も上がっていく」とみんなが思うようになる。
社会全体でそのような気持ちになれば、自ずと景気も良くなるのではないか。
「景気は気から」と言います。
現在読んでいる本『物価とは何か』(渡辺努著/講談社選書メチエ)の中で、著者の渡辺さんが「自己実現的インフレ」という仕組みをわかりやすく解説しています。
「①物価がX%の率で上がると皆が予想し、②その予想を踏まえて企業や店舗が値札を書き換える、③その結果実際にその率で物価が上がる(中略)「最初に予想ありき」というところがポイントで、その意味において、予想が物価を決めているということになります。」(p.89)
社会全体で「予想」することで、景気も上向いていく。
最低賃金が今後も伸び続けることを経営者が覚悟すれば、自ずと経営方針も変わってきますし、賃金を上げていくためには価格転嫁や生産性向上の取り組みが欠かせなくなります。
首相が「30年代半ばに最低賃金1500円を実現する」と表明したことは、社会全体の「気」を上げることにも繋がるのだろうなと思いました。
