ステージが変わると出会う人が変わる、と言われます。
自分のステージが一段階上がると、それに合わない人は自分からは去っていき、そのステージで必要とする人に出会う。
昨年秋、私のステージが大きく変わりました。それに伴って環境も変わり、出会う人も増え、時間を共有する人も変わりました。
こういうことを思うと、目の前にいる人と時間を過ごせることに感謝を感じます。自分をさらに成長させてくれる存在であり、また自分は相手にとって何か影響を与えることのできる存在でもあるんだろうなと。
接する人との時間や、その人が話す内容、その人の取る行動、すべてが自分には学びになります。ちょっとしたことでも見逃せない貴重なものだと感じます。
年齢が上がるにつれ、どうしても話が長くなる傾向があります。
人によってはそれを疎んじ、あしらい、話をすぐに終わらせようとします。
でも、じっくり真剣に耳を傾けていると、すごく示唆に富んでいて面白いものです。
ある高齢の方の仕事に関するお話です。
若いとき、イヤミな上司がいました。すぐに怒鳴りちらし、命令は絶対で、何よりも自分の言うことが優先されるべきだと。
大事なお客様と電話で話しているとき、この上司がこの方を呼びました。
「すぐに来い。電話なんかいいから、早く来い」
大事なお客様と話しているので無視しました。そして、お客様対応を済ませて電話を切ったあと、この上司のもとへ行きました。
「なんですぐ来ないんだ」
「お客様の対応をしていました。終わったので今来ました」
「そんなの関係ない。俺が来いって言ったら、すぐ来い!」
この上司の言葉に、この方はキレます。
「あなたの言っていることは間違っている!」
周りにいた同僚や先輩は凍りついたそうです。
その後、他部署の責任者から、
「君は間違っていない。仮に君に何かがあったとしても、うちの部署で引き取るから」
そう言ってもらったそうです。
「正しいと思うことを真剣にやってきた」
そう仰るこの方の話は、聴いていて多くの学びがあります。
良いことだけでなく、苦しいこともたくさん経験されてきました。会社を興してから、幾度か社員に裏切られたこともあったそうです。
「でもね、人を疑って付き合うのは嫌なんだ。それだったら信用して裏切られる方がまだましだよね」
そう笑顔で話してくれます。
話していただくエピソードの一つ一つが、私の学びになっています。
10年前だったら、こういった話は自分にそこまで響かなかったかもしれません。5年前でもどうかな。
今の自分だから響く話なんだと思います。
人生はホント面白い。
そして、
縁は不思議で、有難いものです。