この時期になると「春闘」という言葉をニュースや新聞で見聞きします。
今年は多くの企業で社員の賃金を上げるという機運が高まっています。
ニュースによると、中小企業は厳しいながらも、なんとか賃上げに踏み切るという企業が多いようです。ただ、固定給を上げるベースアップの実施予定は半数程度ということです。
あるニュース番組で中小企業の経営側と労働者側それぞれの代表者が話し合う場面が流れていました。
厳しい交渉の末、経営側がベースアップを決めました。最終的に労働者側も納得する結果で終わりました。
このときに労働者側の代表者が言っていたことが印象に残りました。
「ベースアップしてもらったから良かったではない。我々(社員)も身を引き締めて仕事をしていきたい。」
この言葉にグッときました。
経営者としては社員の固定給を上げることは本当に厳しいことだと思います。売上が前年と同じであれば、利益は減ることを意味するからです。しかも、一度上げた固定給を下げることはほぼ不可能。できれば固定給を据え置きにし、業績に応じて賞与などで報いたいというのが本音だと思います。
一方で、労働者としては毎月の給与がしっかり上がって欲しい。特に、今のような物価高になったら少しでも給与を上げてもらわないと生活が厳しくなる。こういう気持ちだと思います。
両者の気持ちは理解できます。
そんな中で、先ほどの労働者側のコメントです。
「身を引き締めて仕事をしていきたい」
こういう言葉を聞けたら、経営者としては本当に嬉しいだろうなと思います。
また、社員もこの代表者のコメントで身を引き締めたと思います。
経営者も社員も一緒に働く仲間として、互いが納得できる状態で仕事をする。大事なことですね。
多くの経営者は人一倍社員のことを考えていると思います。特に中小企業はそうです。でも、社員からするとそう見えないことも多い。「社長は自分のことしか考えてない。」と思っている社員は多い。
お互いが腹を割って何かに合意できたとき、素晴らしい景色が広がるんだなと思いました。