「立つ鳥跡を濁さず」という言葉があります。
「立ち去るときは、跡を見苦しくないよう始末すべきである。また、引き際はいさぎよくあるべきである」という意味です。
いくつか組織を渡り歩いて来ましたが、きれいに飛び立てる人は本当に少ないです。
組織を離れることが決まると、どうでもよくなるのでしょうか。特に、窮地に追い込まれたとき、自分自身に危機がせまったときは、組織のことを考えている余裕がなくなるようです。
かくいう私も、何度も濁してきました。
濁さないようにと心に決めていても、結果として濁してしまったケースもあります。
それくらい難しいものですね。
私の知人で、組織を会社都合で離れることが決まった人がいました。会社都合なので、投げやりになったり、引き継ぎをしなかったり、休みがちになったりしても誰も文句は言えません。でも、この方は、一切そういう素振りを見せませんでした。不平不満を言うこともなく、最後まできっちり引き継ぎをしていきました。
窮地に追い込まれるとその人の力量がわかります。
この方は、肝が据わった素晴らしい器の持ち主でした。
近くの浅川の土手を散歩していると、綺麗な水鳥を何羽か見かけます。
冬から春にかけてまだ緑が少ない中、真っ白の水鳥が水面の上に立つ姿は美しさそのものです。
立つ鳥跡を濁さず
これをできる人は美しい。
真っ白な水鳥を見るたびに思います。