0007 役者になる夢

「そういえば、20年前、役者になりたいと思っていたな」

仕事仲間に連れられて中目黒のバーに行ったら、お店の常連さんで女優業で頑張っている30歳前後の女性がいました。夢に向かいながら、やっぱり不安も大きいようで。

その方と話していて、自分も若い頃に役者を目指していたことを思い出しました。アメリカの大学で演技に夢中になり、日本に帰ってきてからはオーディションを受けていました。

大好きな役者さんは、アル・パチーノさん、ロバート・デ・ニーロさん。レジェンド中のレジェンド。

欧米と日本では演技の考え方が若干違うのですが、アメリカで著名な演技の本があり、その中にこんなことが書いてありました。

役者になるために観察力を磨くことが大事。植物を見たとき、「緑色」では不十分。「緑色」には濃い緑もあれば薄い緑もある。いろいろな緑色がある。そこに気づけるようにならないといけない。

当時は、観察力を磨くことが大事なんだなー、としか思っていませんでした。たまにこれを思い出すのですが、実はもっと深い意味があるのではないかと思っています。

中国の古典『大学』の中にこういう文章があります。

「心ここにあらざれば 視れども見えず 聴けども聞けず 食えどもその味を知らず」
(うわの空ではものを見ても見えておらず、聞こえていても聞こえておらず、食べてもその味がわからない)

先ほどの本の著者は、こういうことを言っていたのではないかと思うようになりました。

どんな分野でも、突き詰めていくと同じところに行き着くとよく言われます。富士山もいろいろな登り方がある。どのルートから登っても頂上にたどり着いたら同じ場所になる。

夢を持ち続けて生きるのも良し、

生活優先で現実的になるも良し、

たくさん失敗するのも良し。

どんな結果になろうとも、夢に向かってトライできている時間、何かを選んだ決断、決して無駄にはならない。振り返ってそう思います。

そんなことを思い出させてもらえた中目黒の夜(朝!?)でした。

35歳のときに40年以上続く会社を後継者として 事業承継を行い、6年間代表として経営に携わりました。代表を退任後は、中小企業の事業承継を支援しています。中小企業診断士/ビジネスコーチ
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