3月は暇である。
仕事には忙しい時期とそうでない時期があり、いまは空いた時間をどう充実させるかで悩む時期でもある。
晴れて春らしさが出始める頃であることが救いとなっています。
やることがないなら、いっそのこと休んでしまえ。
近くの美術館へ行ってきました。
「理性なき想像力は怪物を生む。理性と結ばれたとき、それは芸術の母となり、その驚異の源泉となる」
スペインの画家フランシス・デ・ゴヤ(1746-1828)が版画集『気まぐれ(ロス・カプリチョス)』の中の「43番 理性の眠りは怪物を生む」に残したメモです。

「理性とはなんだ?」と考え込んでしまいました。
家に帰ってから辞書で調べるとこう書いてありました。
「感情に動かされたりしないで、論理的に考えをまとめたり物事を判断したりする頭の働き」(『新明解国語辞典』三省堂)
感情主体で突き進むとろくなことにならないということでしょうか。
ゴヤが当時のスペイン社会の理性が失われている状況を批判的に描いた版画集に触れてきました(八王子富士美術館『フランシスコ・デ・ゴヤ 四大連作版画展』)。
滑稽さを強く感じた作品があります。

ロバが誇らしげに家系図を見せている。
先祖代々ロバだったと。
自分を誇示するため家系図を作らせる貴族も多かったようです。
人間から見るとロバの家系図はロバでしかない。
きっと他の動物から見ると、人間の家系図は人間でしかないのでしょう。
誇示することなのか。
視点を変えると違った景色が見えてきます。
女性は何歳になっても美しくいたいものだ。
美容関連の仕事をしているときに学んだことです。
「おばあちゃん」と呼ばれるくらいの年齢になっても、大事な人に会うときはウキウキしながら化粧をする。
70代後半で美容室オーナーだった方に可愛がってもらい、よく食事に行きました。
ピンクの口紅をつけ、食事後には必ず鏡でメイク直しをする。
髪は黒く染めているため白髪はなく、「私は45歳よ」と相手を試すような表情でおっしゃる。
いつの時代も同じですね。

ゴヤは理性がないと芸術は生まれないと言います。
鑑賞する側は、理性を挟まない方がいい。
7年前の忙しなかった時期がよみがえってきました。
