『織田憲嗣の世界の名品・定番品 その愛される理由』(織田憲嗣著/札促社/2025年)

椅子研究家の織田憲嗣さんが住宅雑誌に20年以上わたり寄稿したものがまとめられています。
椅子やテーブルといった家具、照明、日用品、玩具、雑貨などが紹介されています。
「世界の名品」というだけあり、どれも印象に残る品々。
照明に関してこんなことを織田さんは書いています。
「北欧の一般家庭では天井に直接照明器具を設置するシーリングランプはほとんど見られることがない。シーリングランプは部屋全体に明かりを届ける機能があるが、光源が高いとオフィシャルな空間となり、アットホームな温かさは得られない。」(p. 75)
それぞれの場所に必要な照明器具を設置し、そこにいるときにそこにある照明器具を点ければいいということです。
全体的に暗くはなりますが、夜はそれがまたいい。
この考え方に惹かれました。
ルイスポールセンの照明器具が紹介されていますが、いつか購入できたらなと思いました。
本書を通して織田さんが伝えていることは、良いものを長く丁寧に使うということです。
「ファスト製品は所詮間に合わせのものでしかなく、資源やエネルギーの浪費であり、いとも簡単に捨てられることで環境破壊にもつながる。安易にものを購入することなく、そのときの予算で最高のものを吟味して購入するべきである。」(p. 192)
そして、生産者・デザイナーへリスペクトする。
そういう思いを持ちながら、使用する品を選んでいく。
私は今まで品にこだわってこなかったので、何かを選ぶときは、この視点を持っていこうと思いました。
ページを繰って眺めるだけでも楽しい本です。
