何時だろうか。
バイクが停まり、エンジン音の上で脈を打つようなウィンカーが5秒程度つづき、スタンドを上げて進み出し、また停止。
部屋はまだ暗く、おそらく外に出ると吐く息も薄いグレーになりそうだ。
今なら新聞を取りに行けると思うが、「あれは違う新聞かもしれない」と考え直す。
しばらくすると、またバイクの断続的なリズムが聞こえてくる。
「2台来れば、どっちかはうちが取っている新聞だろう」と言い聞かせるように、ゴミ出しの袋を持ちながら玄関を開けると急に頬が引き締まり、視界に入ってくる神社に目礼をする。
LEDの灯りの下で、インドネシア産のコーヒーを机の右端に置き、新聞の一面の左端にある日経平均株価と為替に赤線を引いていく。
この時間がたまらんのです。
ゆっくり進む世界を両手を広げて抱き抱えるような気分になってくる。
今朝は6:10のアラームで目が覚めました。
ぼーっとする頭を枕にこすりつけ、5秒ほど目を閉じ、「よし、起きるぞ!」と言って立ち上がる。
カーテンの横から縦に1本の白い線が見えます。
最近はこれを見るたびに、ため息をつきながら前の晩を思い出しています。
土曜日に仕事をするのが好きです。
世間は休みなのに敢えて仕事をする。
時間がスローになっている窓の外を背中と左半身で感じながら午前中を過ごしていると、時間が無限のように感じられてくる。
『世界の中心で、愛をさけぶ』っていう映画がありましたが、本当に部屋の真ん中でさけびたくなるのです。
土曜日が一番はかどります。
夕方からのスパークリングのコルクを抜きグラスに注ぐあの瞬間に向かっていきます。
朝さえ揃えばトリプルたまらんのチャンスです。
その反動でしょうか、日曜日はぐだぐだです。
規律というものが一切なく、欲に引っ掻き回され、気がつくと『笑点』が始まってしまう。
「これではマズイ。なんとかせねば」
きまって夜になると「よし、明日からは」と吐いています。
たまらん時間と現実とを何度も行き来しています。
ついつい、いつまでも起きていたくなるのです。
