金融機関からの借入の返済が厳しいというたくさんの事業者と接しています。
中小企業はどこも厳しいところばかり。
その中でも頑張って資金を回していっている。
この苦しみ、痛いほどわかります。
一方で、最近よく目にするのは、返済が厳しくなったことで元金据え置き(返済停止)をしているケースです。
「よく元金据え置きなんてできたな」といつも思っていました。
あまりにも多いので、よくよく話を聞いてみると、元金据え置きはすんなり了承してもらえたと。
改善計画書を提出するとか、関係金融機関を集めて状況を説明する場を設けるとか、そういったことは一切なかったと。
メインとなっている金融機関が段取りをつけて手続きだけで済んでいるそうです。
このことをある金融機関の方と話したのですが、コロナ禍後で回復が厳しい事業者が多く、国からも元金据え置きには前向きに応じるよう言われているとのことです。
時代は変わりました。
以前では、こんなこと考えられない状況だったと思います。
返済期間を少し伸ばしてもらったり、ちょっとだけ遅らせてもらったりするだけでもハードルは高かったのではないでしょうか。
厳しい中、本業以外の仕事まで取ってきて、徹夜してもがきながらでも返済していた事業者も多かったと思います。
個人的には、この簡単に元金据え置きができてしまう状況は良くないと思っています。
確かに一時はラクになるのですが、そのタイミングで改善の取り組みをじっくり検討していないケースが多い。
これでは1年経っても同じ状態または悪化してしまいます。
元金据え置きに応じた金融機関は、この事業者の改善のために厳しい意見を言ったり、定期的にフォローしたりしているのでしょうか?
残念ながら、そういった様子は見受けられません。
「最近進捗どうですか?」と訊きながら試算表をもらっているだけでしょう。
これでは事業者のためにはならない。
借入と返済は事業者の責任だという見方はあります。
払えなくなる方が悪く、一旦据え置きしてあげているんだから、それでもダメなら自己責任だよねと。
でも、その見方は国が考える「中小企業支援」の考えではないですよね。
元金据え置きに応じてあげて、できるだけ早く回復を後押ししたい。
それが根本的な考えであれば、関わる金融機関は厳しい意見を言うとか、もっと社長の尻を叩くとかした方がいい。
それが事業者のためだと思います。
少なくとも元金据え置きに応じるときには、きちっとした改善計画を立てさせて、その計画を「一緒に」定期的にモニターしていくくらいのことが必要ではないでしょうか。
元金据え置きになる事業者というのは相当経営が厳しいということ。
生半可な気持ちでは、この状況を打開できないと思います。
もっと社長も危機感が必要だし、覚悟が求められる。
そのためには、安易な元金据え置きだけではなく、危機感や覚悟が醸成される機会を併せて実施していくことも必要なんだと思います。
