「社長が会社に貸し付けたものは放棄せずに、引退したあとに会社から返してもらうようにした方がいいですよ。」
ある公的機関の専門家がシニア社長にこう言ったそうです。
本当にこれがいいのでしょうか?
私はこの言葉にかなりの違和感がありました。
その会社を引き継ぐ人が、社長の子どもであれ、社員であれ、外部人材であれ、誰であっても、返済は重荷になります。
業績が好調でお金が有り余るならいいです。
でも、中小企業、特に零細企業でそういう会社は極めて少ない。
というか、社長が自己資金を会社に貸し付けている時点で厳しい会社であるとも言えます。
それなのに、社長が引退したあとに会社から返済していくというのは本当に現実的なのであろうか。
社長が引退したあと、一定の生活費は必要です。
その視点では、会社から少額でも返済してもらうことで、生活費の足しになります。
できることなら、そうしてあげる方が引退後の生活のためにも良いのは間違いない。
一方、後継者の視点で捉えると「自己資金を入れないといけない経営にしたのは先代の責任ですよね」となります。
後継者の代になってまで、先代の「借金」をなぜ返さないといけないのか。
返済がなければ、その分を人件費に充てることもできれば、販促費にも充てられます。
会社を回していく方が先決なわけで、先代の個人的な貸付を返すのは後回しにしたい。
後継者は先代より立場が低くなりがちです。
先代が「返してくれ」と言ったら、なかなか正面から「無理です」なんて言えない(笑)
第三者として支援する人は、そこも踏まえて間に入らないといけないと思います。
冒頭の言葉を簡単に言ってもらいたくはないですね。
後継者がどれだけ厳しい思いをするのか。
個人貸付分を放棄するくらいの気持ちでないと、スムーズな承継は難しいと思います。
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<100失敗チャレンジ:No. 9>
双方にメリットがあると思い仲介提案したが、より支援が必要な方から消極的反応あり。合理性ではなく人情を考える必要あり。(挑戦系)
