0976 『失敗できる組織』

『失敗できる組織』(エイミー・C・エドモンドソン著/早川書房/2025年)

「心理的安全性」の提唱者であるエイミー・C・エドモンドソンさんの著書です。

「上手に失敗すること」について書かれています。

「正しい失敗」をこう表現しています。

「正しい失敗とは、『他の方法ではどうにも手に入らなかった』価値のある新たな情報をもたらすもの」(p. 24)

失敗は必ずしも悪いものではありません。

でも、人は失敗を怖がります。

「上手に失敗するのが難しい原因は三つある。『忌避』『混乱』『恐怖』だ。忌避は失敗に対して本能的に起こる感情的反応だ。混乱は失敗のタイプを見分けるためのシンプルで実用的な枠組みを持たないために生じる。恐怖は失敗のもたらす社会的スティグマ(汚名)から生じる。」(p. 32)

これらの原因を克服するためにはどうすればいいのか。

忌避に対しては、失敗の捉え方を変えること。

混乱に対しては、失敗の種類と正しく認識するための枠組みを持つこと。

恐怖に対しては、心理的安全性を築くことが重要です。

上手に失敗できるようになるためには、「自己認識」「状況認識」「システム認識」の能力を向上させていきたい。

「自己認識」とは、自分自身と向き合い、学び続けること。

「状況認識」とは、「不確実性のレベルとそれが引き起こす自体を理解すること」(p. 236)。

不確実性とリスクの両方を検討することです。

「システム認識」は、取り巻く環境の全体像をしっかり押さえること。

往々にして、目の前の課題を解決するために取った行動が、全く予期しない部分でマイナスの影響を及ぼすことがあります。

失敗は練習できます。

趣味は練習の格好の場であると著者はいいます。

趣味の分野では、楽しみながら学べるし、リスクも低い。

ここで失敗することを学んでいけば良い。

日常生活でも意識して以下を取り入れたい:

  • 何かに粘り強く取り組む
  • 振り返りの時間を持つ
  • 責任を引き受ける
  • 謝罪する

邦題は『失敗できる組織』ですが、原題は「正しい失敗」(意訳)です。

組織のことが書かれているというよりも、「失敗」の種類や、上手に失敗するためにはどうすれば良いかが書かれています。

内容とタイトルとの齟齬が少し気になりました。

本書を読んでいると、失敗をしたくなってきます。

失敗は学びにつながるからです。

でも、失敗することに怖さもあります。

「失敗する練習」という考え方は心理的ハードルを超えるためには有効だと思いました。

どんどん上手に失敗していきたいです。

経営経験やコーチングの実践を通じて、深い対話により経営の選択肢を広げ、納得感のある意思決定をご支援しています。また、組織やチームの関係性を育む支援に取り組んでいます。3Cサポーター/中小企業診断士
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