『マンガでやさしくわかる学習する組織』(小田理一郎著/松尾陽子マンガ/日本能率協会マネジメントセンター/2017年)

毎月参加している勉強会の課題図書でした。
ピーター・センゲの『学習する組織』を、マンガのストーリーと一緒にやさしく解説しています。
組織の健全な変化のためには2つのキーポイントがあります。
学習と組織プロセスです。
学習とは、「自分たちの知識の再創造を行い、またそのための能力を培う」(p. 029)ことです。
組織プロセスとは、「組織の構成員の間でどのような場や関係性が培われ、どのようにそれぞれの思考や感情に影響を与え、行動を織りなし、結果を出していくかという一連の流れに関すること」(p. 029)です。
組織が良くなるためには、関係の質、思考の質、行動の質、結果の質の流れを良いものに循環させていくことが必要になります。
学習する組織にとって必要な学習能力は3つあります。
- システム思考:複雑性を理解する力
- メンタルモデルとチーム学習:共創的な対話を展開する力
- 自己マスタリーと共有ビジョン:志を育成する力
これらを統合的に活用していくことが大事になります。
理論としてはとても難しい内容で、正直細部までは理解できませんでした。
勉強会の中でも、「これは難しい」という声が上がっていました。
そのくらい理解しづらい内容ですが、マンガのストーリーで組織変化をどう促すかが描かれているので、大枠で理解することはできました。
マンガのストーリーで組織変化をどう促すかが描かれています。
その中で、印象に残った場面。
主人公が現場組織を変えようと奮闘しますが、現場の人たちが少しずつ心を開いていきた矢先、現場の古株が主人公にこう質問します。
「あなたはこの工場で何をしたいんだ?」
仲良くなれるチャンスだと思った主人公はこう答えます。
「もちろんよい工場になってほしいんです。みんななかなかがんばっていると思います」
古株はため息をつきながらこう言いました。
「ずいぶんと上からものを言っているね」
主人公が「上から目線」になっていることを現場は肌で感じていました。
「自分事」になっていない。
本書ではこう指摘しています。
「(主人公のように)現場の外から関わる人の中には、自分を触媒や縁の下の力持ちのように位置づけ、対象組織のために働き、自分のためと考えることをよしとしない方もいるでしょう。しかし、現場から見ると、それはその人の覚悟が疑われる態度でもあります。」(p. 219)
組織支援、経営支援をしている身としては、このポイントは常に肝に銘じておかないといけないと思いました。
『学習する組織』の理論自体は難しい。
勉強会の中でも、「これは難しい」という声が上がっていました。
大枠だけでも理解できて良かったです。
