『What Went Wrong With Capitalism』(Ruchir Sharma著/Allen Lane)

資本主義は何を間違ってしまったのか?
これをテーマにした本です。
米国を軸に書かれています。
経済成長は人口増と生産性向上が主要因です。
1980年代にどちらもピークを迎えます。
グローバル化も経済成長に寄与しました。
最近は成長が鈍化しています。
政治家は以前の経済成長の幻想を追っていると著者は指摘しています。
成長を追い求めるあまり、大きな借金をしてまで財政出動を繰り返す。
でも、本当にこれは機能しているのか?
金融緩和は資本主義を歪めた要因のひとつに挙げられています。
20年間の金融緩和で、寡占化が進み、ゾンビ企業が増え、中小企業の業績が悪化し、結果的に生産性も落ちてしまった。
格差の広がりを助長し、経済や社会の歪みを大きくしてしまった。
国の借金は膨れ上がり、危険領域に入っている。
同じような考え方でこのまま突き進んでいいのか?
これが本書の問いとなっています。
資本主義は人間や社会の活動の結果であり、誰かがコントロールできるものではない。
支配できると考えていることに間違いがある。
その発想を変えていかないといけない。
「エコシステム(生態系)」と捉えると、すべての生態系は絶え間のない変化のサイクルであり、死は避けられない。
取り返しのつかないところに行く前に、我々の傲慢さを認識なければならない。
大変学びのある本でした。
日本にも十分当てはまる内容です。
こういった本を読んでいるといつも思うのですが、経済のプロ中のプロたちが様々な議論を経て主導してきたものでも、このように副作用が発生して傷口が大きくなってしまう。
だとしたら、その専門性って何なのだろうか。
専門家の意見を聞かないで政治家が主導した結果ということなのかもしれません。
いずれにせよ、そのくらい経済というのは管理・コントロールが難しいということなんだと思います。
著者がいう「傲慢さの認識」は非常に重い言葉だと思いました。
最近、国の借金が膨らむことの弊害に関心があります。
次はそういったテーマを学んでいきたいと考えています。
