『量子超越 量子コンピュータが世界を変える』(ミチオ・カク著/NHK出版)

「量子コンピュータ」という言葉をたまに見聞きします。
実際にどんなものか知りたくて本書を手に取りました。
題名にもある「量子超越」。
「量子超越とは、量子コンピュータというまったく新しいタイプのコンピュータが、特定のタスクの処理において従来のデジタル式スーパーコンピュータの性能を明確にしのぐ、夢のような段階のことだ。」(p. 10)
これだけで圧倒されました。
スーパーコンピュータを凌ぐ性能ってどういうことだ?!と。
「(量子コンピュータは)小さなトランジスタで計算するのでなく、考えられるかぎり最小の物体である原子そのもので計算することによって、われわれがもつ最高速のスーパーコンピュータの性能をあっさり上回る。」(p. 11)
量子とは、エネルギーや粒子の最小単位のことです。
量子には興味深い特徴があります。
・重ね合わせ:電子は同時にふたつの場所にいられる
・からみ合い:2個の粒子が干渉し合っていると、引き離しても互いに影響し合う
・経路積分:粒子が2個の点のあいだを動くとき、その2点を結ぶありとあらゆる経路が足し合わされる
・トンネル効果:量子力学では、壁があっても通り抜けられる
これらの量子の性質を活かした技術が量子コンピュータということです。
量子コンピュータがデジタルコンピュータを凌ぐ領域として4つ挙げられています。
- 検索エンジン
- 最適化
- シミュレーション
- AIと量子コンピュータの融合
量子コンピュータはまだ研究開発段階にありますが、いずれ一般的に普及する段階になった際には、あらゆる分野で力を発揮しそうです。
本書では、活用の可能性としていくつかの分野を挙げています。
バイオテクノロジー、人工光合成、エネルギー、創薬、遺伝子、医療、不老不死、地球温暖化、核融合、宇宙など。
量子コンピュータ。
物理などに疎いということもあり、なかなか理解がしづらかったです。
私の想像を超えたところでの話というか。
ただ、量子コンピュータには大きな可能性があるということは理解できました。
量子コンピュータにより、人工光合成が実用化される可能性があること、宇宙の神秘の多くが解明される可能性があること、この2点に興味を覚えました。
