『千の顔をもつ英雄(上)』(ジョーゼフ・キャンベル/早川書房)

『PRINCIPLES 人生と仕事の原則』(レイ・ダリオ著)の中で紹介されていた本です。
神話や民話に出てくる「英雄」の物語には、決まったパターンがあるといいます。
ジョージ・ルーカスが「スター・ウォーズ」を作る際に本書からヒントを得たといわれています。
前から読んでみたいと思っていたのですが、今このタイミングで手に取りたくなり読み始めました。
上下巻あるうちの上巻です。
英雄の旅には決まった構造が見られます。
日常の世界から、自然を超越した領域へと踏み出す(出立)。
そこで途方もない力に出会い決定的な勝利を手にする(イニシエーション)。
仲間に恵みをもたらす力を手にし、冒険から戻ってくる(帰還)。
それら3つの要素を分解していくと、さらに構造的なパターンが見られます。
様々な神話を取り上げ、比較しながら解説されています。
上巻は、出立とイニシエーションを扱っています。
神話に慣れていないため読みづらさがあります。
ただ、神話が扱っているテーマの「深さ」はしっかり伝わってきます。
そして、著者はこれをユングなどの精神分析の考え方で説明しています。
ここまでくると一度読んだだけだとなかなか理解しづらい。
「英雄の一番の仕事とは、二次的な意味しか持たない表舞台の世界から身を引いて、困難を生む精神の領域(実際に困難が巣くう領域)へもぐりこんで、そこで何が問題かをはっきりさせて自分自身の困難を解消し(中略)、C・C・ユングが『元型イメージ』と呼んだものを歪曲せずに直接経験して、それと同化するまで、突き進むことである。」(p. 35)
「元型イメージ」とは、神話や物語に繰り返し登場する象徴的なキャラクターやテーマを指します。
つまり、英雄の物語は、自分自身の精神の成長の物語でもあるともいえそうです。
難しいのですが、なんとなく惹かれます。
そこに本質があるような気がするからです。
英雄の物語が愛される理由は、それが人の精神的な成長を描いているからではないでしょうか。
英雄は、自分の恐れや困難に向き合い、それを乗り越えた者です。
日常生活で我々も同じようなことに直面します。
それを乗り越えられるということを、神話は教えてくれているのかもしれません。
さらに下巻も読み続けて理解を深めていきたいと思っています。
