『環境とビジネス』(白井さゆり著/岩波書店)

パリ協定では、世界の平均気温上昇を「世界共通の長期目標として2℃目標の設定。1.5℃に抑える努力を追求すること」(今世紀末までに工業化前と比べて)としています。
1.5℃に抑えるためには、2050年ごろまでに温室効果ガスを正味ゼロまで減らすことが求められています。
その中で各国がさまざまな取り組みを行っています。
本書では、ビジネスをする上で認識しておきたい環境関連の動向がまとめられています。
気候変動は企業経営にとって「世界最大のリスク」であると指摘しています。
気候変動が及ぼすリスクには3つのタイプがあります:
- 物理リスク
- 移行リスク
- 訴訟・責任リスク
物理リスクは、建物・工場等の破損、サプライチェーンの混乱、原材料への影響などのリスク。
移行リスクは、気候変動対策で導入される制度や規制により生産コストが増加し収益に影響するリスク。
訴訟・責任リスクは、規制に違反した場合に訴えられるリスク。
この中でも、訴訟・責任リスクは頭に入れておきたいポイントです。
「世界では気候を含む環境に関する訴訟件数は2017年以降に増加していることを指摘しておきたい。(中略)『訴訟・責任リスク』が、現実味を帯びてきている。」(p.155)
例えば、マーケティングとして「エコ」、「環境にやさしい」と訴求する商品を多く見かけます。
「自然由来」であるだけで「エコ」や「環境にやさしい」と訴求したくなるのですが、実際に科学的根拠はあるのか。
海外ではこういった科学的根拠を示していくことが求められるようになってきているようです。
海外市場で商品を販売していこうと考えている企業は、こういった点も気に留めておかないと痛い目に遭うかもしれません。
そう意味でも、世界的にどのような動きがあるのかを押さえておくのは大事なことですね。
環境規制に関してはEUが進んでいるという印象があります。
EUがどういう方向に向かっているのか、それに対して日本や各国がどういう取り組みを行うのか。
定期的に情報を確認していきたいと思います。
