EUでは森林破壊防止のためのデューディリジェンス義務化が予定されています。
「同規則は、パーム油や牛肉、木材、コーヒー、カカオ、ゴム、大豆とこれらの派生製品をEU域内に上市(市場投入)、供給、またはEUから輸出する全ての事業者、貿易事業者に対して、当該産品が森林破壊によって開発された農地で生産されていないことを確認するデューディリジェンスの実施と報告を義務付けるもの。」(JETROのHPより)
大企業は2024年12月30日から、中小企業は2025年6月30日からの適用です。
結構厳しい規則ですよね。
ただ、森林破壊を防止するために強い規則を設けるというところがEUらしいと感じます。
デューディリジェンス宣言書の提出は2024年12月30日までとなっているようで、産地となっている地域では準備が大変なようです。
『The Economist』(2024年7月6日号)に興味深い記事が出ていました。
各農場の位置情報を把握するにはコストもかかり、特に貧困国であるアフリカでは期限内に位置情報を特定することが困難な状態であり、このままではEU市場からアフリカ産穀物が締め出されると。
環境破壊を防止するという観点からは、こういう規則を設けて早く運用したいという気持ちはわかります。
一方で、生産者側からすると、デューディリジェンス実施と報告にかかるコストや労力は大変なもので、貧困国は特に対応が厳しくなる。
記事では、EUが環境保護を大事に考えるなら、貧困国が移行できるよう支援することも必要だと指摘しています。
日本国内でもビジネス運用に影響が出る規則が適用されることがあります。
例えば、インボイス制度や電子帳簿保存法など。
国は、対応が難しい会社が移行できるよう適用までに期間を設けたり、必要となるシステム導入費の支援を行ったりしています。
それでも、適用間近になると混乱する。
どこも同じですね。
EUが環境を考えてビジネス運用に厳しい規制を設けるというスタンスは好きです。
それによって世界中の人々の考え方も少しずつ変わっていきますし。
ただ、規制によって対応しきれない人たちが出てくるということもしっかり知っておく必要があると、記事を読みながら思いました。
森林破壊していないのにもかかわらず必要な書類が提出できないといった理由で市場から締め出されてしまうとしたら、輸出側もそうですが、EU内の人たちにもマイナスなことだと思います。
