0415 『エネルギーの人類史 上』

『エネルギーの人類史 上』(バーツラフ・シュミル著/青土社)

エネルギーに関して学ぶ中で、これまで人類がどうエネルギーを利用してきたのかが知りたくなり、本書を手に取りました。

上下巻あるうちの上巻です。

上巻では、狩猟採集社会、農耕、産業化以前の原動力と燃料などがテーマとなっています。

化石燃料から再生可能エネルギーまでを中心に知りたいと考えていたのですが、上巻はそれ以前の話が多く出てきます。

そもそも人もエネルギーですし、食もエネルギーです。

何か行う際にどれだけ人的エネルギーが必要だったのか、その人たちのエネルギー確保の食をどう得ていたのか。

仕事をする上でウマ、牛、水牛など動物も利用してきました。

動物を養うための餌を栽培する土地や労力にどのくらいエネルギーが必要だったのか。

そういったことまで考察対象となっています。

「エネルギー」といっても幅広く、奥が深いんだなということがわかります。

「人類史」とあるように、まさしく人類とエネルギーの関わりが学べます。

「有史以前の人類の進化と歴史の流れは、ともに、エネルギーをできるだけ集約的で汎用的な形態で、いかにたくさん貯蓄し、循環させられるか、そしてそのエネルギーをできるだけ無理のない、低コストで効率のよい方法で、いかに熱や光や運動に変換させられるかを希求するものだった」(p.8)

本書は膨大な資料や調査をもとに書かれています。

「よくここまで突き詰めて書けるな」と感嘆の思いでページを繰りました。

「エネルギー」をさまざまな文脈で捉え、広さがあり、一つ一つが詳細で深くもあり、そして知的好奇心を掻き立てるように話を進めています。

情報量が多いため消化不良を起こしますが、それでも読んでいて楽しい本です。

また同時に、人類がこのような発展を成し遂げてきたことに対し驚きと畏敬の念も感じます。

下巻からは化石燃料が出てきます。

後半戦も楽しみです。

35歳のときに40年以上続く会社を後継者として 事業承継を行い、6年間代表として経営に携わりました。代表を退任後は、中小企業の事業承継を支援しています。中小企業診断士/ビジネスコーチ
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