『植田日銀 こう動く・こう変わる』(清水功哉著/日経プレミアシリーズ)

2023年4月に経済学者として初めて日銀総裁に就任した植田和男さん。
植田さんがどういう方で、どういうことを考えているのか興味があり本書を手に取りました。
テレビで見る植田さんは堅い表情が多いのですが、今までどういったことをしてきたのか、どういった言動があったのかを知ることができ、好感が持てました。
本書では、今まで日銀がどういった政策を取ってきたのかがまとめられているため、大変勉強になります。
1999年のゼロ金利政策から量的緩和政策、包括緩和政策、量的・質的緩和政策を経て、2013年に当時の黒田総裁のもとで10年間に及ぶ異次元緩和が始まりました。
異次元緩和も大きく分けると「短期決戦局面」と「持久戦局面」とがあり、こういった流れを受け植田さんが引き継ぎました。
日銀がどういったことに注目し、どういった政策を行っているのかがわかりました。
物価目標2%を目指している中、今までの長期金利操作で副作用も指摘されています。
今後の日銀はどういう政策転換を行うのか。
著者の清水さんはこう述べています。
「仮に2%実現のメドが立てば、金融緩和を終える正常化に向かう。逆にメドが立たなければ、副作用を軽くする政策修正で、より持続的な緩和の枠組みにつくり替えていくだろう。」(p. 161)
日銀の動向に目が離せません。
今後の重要な要素のひとつは「賃金」であることは間違いなさそうです。
