1132 『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』

『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』(スティーヴン・グリーンブラット著/河野純治訳/ちくま学芸文庫/2025年)

1000年後に表に出てきても影響力がある、そんな本が書けたら最高でしょうね。

1417年に見つかった1冊の本がその後の世界に影響を及ぼしたといいます。

ポッジョ・ブラッチョリーニは修道院で古代ローマの詩人ルクレティウスが書いた『事物の本性について』を発見します。

古代ローマ時代からの戦争などで多くの書物が失われてしまっていたなか、1000年以上のときを超え、1417年を境にこの本が表に出てきます。

「ひとたびルクレティウスの詩が世に広まると、人類の経験を描くこの幻想詩人の言葉が、ルネサンスの作家や芸術家たちの作品の中で激しく反響しはじめた」(p. 341)

ルクレティウスは古代ギリシアの哲学者エピクロスの原子論的宇宙観を詩として歌い上げました。

「神の摂理の否定」や「死後の世界の否定」が軸となっており、中世ヨーロッパで主流だったキリスト教的世界観と対立する内容が写本の形で広まることになったのです。

1000年という長い年月を経て再度表に出てきても、後世に影響を与えられるというところに、「本」というものの底知れぬ力強さを感じます。

『事物の本性について』が素晴らしいラテン語の詩で書かれていたということや、内容が多くの人の心を打つものであったということは大きいのでしょう。

そこまででなくとも、作者の死後も読み続けられる本はたくさんあります。

私もたくさんの本を通してすでにこの世を去った作者と対話しています。

そういった本を1冊でいいから残してみたい。

後世を大きく変えたとする『事物の本性について』とはどんなものか。

読んでいこうと思います。

経営経験やコーチングの実践を通じて、深い対話により経営の選択肢を広げ、納得感のある意思決定をご支援しています。また、組織やチームの関係性を育む支援に取り組んでいます。3Cサポーター/中小企業診断士
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