「地方創生」という言葉をよく目にするようになりました。
2014年から始まった地方創生は、東京一極集中を是正し地方を活力あるものにするという目的があります。
今朝の日経新聞で、前鳥取県知事・元総務大臣の片山善博さんが、地方創生がうまく行っていない理由を挙げています。
自治体がどういった街づくりをするかという総合的な計画づくりを外部のコンサルタントに委託したことが問題だったのではないかと指摘しています。
14年度〜15年度で出された計画は、どの自治体も似通ったものが多かったようです。
地域の特色が生かされていない、熱が入っていないということです。
片山さんはこう述べています。
「地域のことを一番よく知るのは地域自身である。(中略)自治体だけで考えるのではなく、経済界や大学はもとより地域のさまざまな主体、年齢層でいえば地域の将来を担う若い人たちを支えて互いに知恵を出し合う。そのプロセスがとても大切である。」(日経新聞『地域の主体性向上が不可欠』2025.1.20)
これを読んでいて、会社経営と同じだと思いました。
会社経営の支援でコンサルタントが入ったとしても、外部視点で計画を立てるのではあまり意味がない。
実際に実行する主体(経営者)が腹落ちした計画にならないと実効性が伴いません。
バングラデシュのムハマド・ユヌスさんの言葉を思い出しました。
「私がコンサルタントに対して不満を持っている理由は、私たちのもとによくやってくるコンサルタントというのが、まるで、それまで一度もフットボールをやったことがなかったり、試合すらも見たことがないのに、フットボールのコーチをやっているような人だったからだ。」(『ムハマド・ユヌス自伝(上)』)
会社経営であり、地方創生であり、開発援助であり、結局は主体である実践者が軸にならないといけないんですよね。
では、どうやればいいのか?
中小企業庁は会社経営の支援において「伴走支援」の大切さを訴えています。
地域創生でも伴走支援が有効だと思います。
まず主体は自治体であるので、自治体が腹落ちして進めていけるよう伴走支援をしていけば良いのではないでしょうか。
中小企業庁には伴走支援の知見が蓄積されているので、それを活用するときだと思います。
元中小企業庁長官の角野然生さんが著書『経営の力と伴走支援』の中で、地域創生において伴走支援の役割が生かせると述べています。
地方の企業が元気になり雇用面で魅力が増せば人口減に歯止めがかけられるのではないか。
それを促すためには、自治体、企業などの当事者を意識づけして行動変容に結びつけていくことが欠かせません。
企業の活性化の前に自治体がまずは当事者意識を持つこと。
「(伴走支援を活用した)地域再生プロセスの枠組みを新しく作ることで、自治体の職員がのびのびと自由に挑戦できるような環境を作ることは非常に重要(中略)そうすれば、本来職員の皆さんが潜在的に持っている力が真の地域再生に向けて顕在化していくと思います。」(p.197)
伴走支援の知見を生かしていってほしいです。
ここで疑問に感じるのは、果たして省庁を横断して知見を生かせる取り組みは可能なのかということ。
ちょうど今朝の日経新聞の『私の履歴書』で伊藤忠商事会長CEOの岡藤正広さんが縦割り組織に関して述べています。
縦割り組織の弊害を自身でも経験され、トップになってからは縦割りを壊すために横断チームを作って取り組んでいると。
それでもなかなか難しく試行錯誤の毎日だといいます。
「『縦割り打破なんて永遠にむりなんとちゃうか』と思うこともある。」(日経新聞『私の履歴書』2025.1.20)
重みのある言葉です。
地域創生に取り組む上で、この「縦割り打破」も課題になるのでしょう。
地域創生に中小企業診断士としてどう関わっていけるか。
考えていきたと思っています。
