今朝の日経新聞で『Z世代の「育て方改革」』という面白い記事がありました。
企業はZ世代をどう育てるかといった内容です。
Z世代は、1990年代後半から2012年頃までに生まれた世代です。
記事ではこの世代の特徴として4点挙げています。
- 有給休暇取得やリモートワークを重視する
- 最初から転職を視野に入社する人が増えている
- キャリアは自分に蓄積され転職しても持ち運ぶという意識が高い
- タテよりもヨコのつながりを重視する
人材難という問題を抱えている企業が多い中で、若い世代の採用ではこれらの特徴を押さえておくことは大事になりそうです。
企業内でなくても、例えばプロジェクトとして企業間で集まる場合でも、若い世代へどう接していくかを考える上で参考になります。
よく聞く話では、この世代には「石の上にも三年」は通用しないと。
そんなこと言っている間に他へ転職してしまうと。
今の自分を認めて欲しい、今の自分を必要としているところで働きたいという思いが強いのでしょうか。
「石の上にも三年」を重視してきた私としては、この考え方が通用しないということに違和感があります。
この考え方を受け入れたくないという若い人が増えているとしても、やっぱり「石の上にも三年」を重視した人が大きな成長をするのではないかと思います。
そう言っている時点で昭和な考えと思われそうですが。
若い世代は転職へのハードルも低くなっているようです。
気軽に転職できるというフットワークの軽さは良いところです。
ただ、転職を繰り返すことで成長が遅くなったり、専門的なスキルの蓄積が難しくなったりといったリスクは考えたいですよね。
40代になり我が身を振り返る度に思います。
「自分の専門性ってなんだろう?」と。
私は中小企業診断士として活動しています。
中小企業診断士は「専門家」とは言われますが、この中でもさらに専門性が求められます(ITに詳しい、物流に詳しい、財務に詳しいなど)。
中小企業を経営をしたことがあるという経験、事業承継を間近に見てきた経験があっても、「で、どこに専門性があるの?」という問いにはなかなか答えられない自分もいます。
そのくらい専門性(=キャリア)って作り上げていくことが大変なものなんですよね。
時間もかかるし。
記事の中でこう書かれています。
「一定期間はハードな仕事をこなさないとキャリアは蓄積されない」
同感です。
ハードな仕事を集中的にできる(やらされる?)のも若い時期の特権ですよね。
しかも、下手にスキルがないときの方が、吸収率も高く、あまり考えずに打ち込める気がします。
嫌だからと言ってすぐ転職してしまっては、その貴重な時期を逃すことにもなる。
若い世代の価値観に合わせて人材教育をしていくのか、一定の信念(たとえば「石の上〜」など)を持ち人材が離れることを覚悟で育成に励むのか。
迷う企業も多いと思います。
でも、ご縁があって関わった人に対しどう成長してもらいたいかを考えたとき、自ずとその組織に合う育て方が見えてくるのではないかと思います。
結局は、目の前の人にどう接するかであり、企業の在り方なんだと思います。