『国際政治−権力と平和(下)』(モーゲンソー著/岩波文庫)
国際政治学の古典ともいわれている本書の下巻を読み終えました。
上巻、中巻、下巻と3冊に分かれています。
やっと読み終えました。背景となる知識が不足しているというのもありますが、非常に読みづらい本でした。
下巻では、平和をどう実現させるかということがテーマになっています。
平和を実現することがいかに難しいか、そして、いかに外交が大事かが語られます。
「国際平和を国家主権の制限によって維持するのは不可能である(中略)恒久平和の先決条件を確立するためのこの方法を、われわれは『調整による平和』と呼んでいる。そして、その手段こそが外交なのである。」(p.288)
「世界国家なくして恒久平和がないように、平和維持と共同体構築の外交過程なくしては世界国家はありえない。世界国家が曖昧なヴィジョン以上のものであるためには、対立を緩和し最小限にするような、外交の過程調整が復活しなければならない。」(p.359)
いまだに世界各地で紛争が起きています。
ウクライナとロシアも1年半戦闘が続いています。
イスラエルとガザ地区のハマスによる対立が激化しています。
「外交」によりどう平和を実現してくのでしょうか。
本書のこの言葉が印象に残りました。
「外交がいつも首尾よく平和を維持することができるかどうかは、有力な参加当事国すべてがきわだった道義的、知的素養をもっているかどうかに左右される。」(p.358)