『国際政治−権力と平和(上)』(モーゲンソー著/岩波文庫)
世界の国々で「指導者」と呼ばれる人たちが、どういうマインドを持って意思決定しているのか知りたくなり、国際政治学の古典ともいわれている本書を読み始めました。
古典といわれているので内容が難しいと覚悟していましたが、文章の構成がわかりやすいので比較的読みやすいです。
ちょっとした隙間時間で気が向いたときに読み進めるという形にしているため、この上巻だけで数ヶ月要しました。
上巻、中巻、下巻と3冊に分かれています。
まだまだ先は長い。
上巻では、主に「権力」と「国力」に関して述べられています。
権力という点で納得したことがあります。
ニュースを見ていると、なぜ不毛と思われるような権力闘争に明け暮れているのだろうという疑問を持つことがあります。
でも、自分たちの日常レベル(職場、家庭、友人関係など)でも同じようなことはしていると。
他人との力関係を意識しているし、相手をリードするよう自分の立ち位置を変えるときもある。
「権力闘争があらゆる社会関係に、あるいは社会組織のあらゆるレヴェルに広く存在するという見方からすれば、国際政治が必然的に権力政治となることは、何ら驚くべきことではないだろう。」(p.113)
納得しました。
日常でやっていることを、国レベルでもやっているのだと。
本書では国力を構成する要素が示されています。
地理、天然資源、工業力、軍備、人口、国民性、国民の士気、外交の質、政府の質。
あらゆることに目を向けながら国力を高めていかないといけない。
人口減という話題をよく目にしますが、人口がいかに国力にとって大事なものであるかに改めて気付かされました。
そして、国力は絶対的なものでもなければ、永続的なものでもないと指摘しています。常に変化はするし、他国との関係性も変化する。
よくよく考えるとそうだと思えますが、忘れがちになる視点だと思います。
中巻、下巻もゆっくり読み進めていきたいと思います。