0134 リソース(経営資源)のジレンマ

「リソース(経営資源)の少ない中小零細企業はどう苦境から抜け出せるのか?」

この数年間、何度も考えてきたテーマです。

経営者の立場としても、経営者を支援する立場としても、このテーマを考えてきました。

経営課題が明確になり、やるべきことが整理され、自社リソース内で取り組みはじめても、実際に結果が出るには相当な努力が必要になります。

今までのやり方でこの状態になっているため、同じリソースを使っている中ではなかなか結果が出づらいとも言えるかもしれません。

「最終的には経営者次第だ。」

経営に関する本ではよくこう言われます。

私もそう思います。

しかし、リソースが限られている中で好転させるのはそう簡単ではありません。

中小企業、特に零細企業で大きな悩みのひとつは資金繰りです。

お金が回らなければ会社は存続できない。

今月の支払いをどうするかに意識が奪われます。

そんな状態では、新しい取り組みへ資金を向ける余裕なんて持てません。

取り組むべきことをやる上で、社内に対応できる人材がいないケースがあります。

でも、そこは重点的にやらなければいけない。

人を採用する資金的余裕もない。

外部へ依頼するにも、予算が限られていて中途半端な部分しか対応してもらえない。

経営者が自らやろうとしても、現実的でないこともある(例えば、ITが全くわからない高齢の経営者がインターネット販売を自分ひとりでやろうとするなど)。

こういうときどうすればいいでしょうか?

悩ましいところです。

このような状況で奮闘している経営者をご支援していると、気持ちが痛いほどわかるため、なんとかお役に立ちたいと思います。

でも、外部からの支援ではやれることに限りがあります。一緒になって営業活動に取り組んでいきたいと思うこともありますが、会社にその予算がなければ私も入れません。

リソース範囲内でできることを模索しますが、どうしても好転させるには不十分なことが多いのも事実です。

無理して人材への投資を増やし、2〜3年後の好転を目指すことも選択肢のひとつです。

ただ、好転する保証はありません。

好転しなければ、人材分のコストが重くのしかかり、資金繰りはさらに悪化します。

このようなジレンマを抱えている経営者は多いと思います。

同じように、どう支援できるかジレンマを抱えている支援者も多いと思います。

何か道はあるはず。

それは見つけたいと思っています。

35歳のときに40年以上続く会社を後継者として 事業承継を行い、6年間代表として経営に携わりました。代表を退任後は、中小企業の事業承継を支援しています。中小企業診断士/ビジネスコーチ
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