0106 継続的な値上げを想定する

物やサービスの値上がりはいつまで続くのか?

ここ最近、宿泊料や理美容サービスでも値上げが波及してきています。

この物価上昇は一過性のものだと思っていたのですが、来年以降も続くだろうと見ています。

昨日政府は、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を閣議決定しました。

その中で、中小企業での賃上げを広めるため、最低賃金を全国加重平均で1000円に引き上げる目標が盛り込まれています。赤字の事業者でも賃上げできるような税制策も検討するとのことです。

事業者にとって、原材料費が上がってきている中で、賃上げへの圧力も高まってきています。ただでさえ利益が確保しづらい中、これらに対応しないといけない。そうなると、提供する商品やサービスの価格を上げていかないと運営できなくなります。

事業者の立場では、値上げは怖いもの。周りがしているとしやすい部分はあるものの、提供する商品やサービスの質も上げていかないとお客様の支持は得られない。

日経新聞(2023年6月17日)に、「各社が賃上げの原資を確保できるよう年内に転嫁に関する政府指針をまとめる」と出ていました。

年内中に政府から事業者に対して、価格転嫁しましょう!という方向性が示されるということです。

これで事業者の値上げがしやすくなるかはわかりませんが、世間的な空気としては、値上げをしていこうという機運は維持されるでしょう。

この方針が年内に出るということは、来年も値上げが続くということだと思います。

今年4月まで、実質賃金は13ヶ月連続で減少しています。賃金が上がってきているとはいえ、物価の上昇の方が大きくなっているためです。

物価の上昇を超えるほど賃金が上がってくれないと、財布の紐はゆるくなりません。

となると、やはり、消費者に選んでもらうために、どう事業者が質を高めながら価格を上げていくかが課題になります。

一過性の値上げ機運、今後も値上げが続いていく機運とでは、事業者の経営方針も変わります。

値上げに対するしっかりとした事業者の考えが求められてくるのではないかと思います。

周りが値上げしているから自分も値上げする、と安易に値上げした場合、次の値上げがしづらくなります。お客様からの支持も得られなくなるでしょう。

値上げを検討している事業者は、一過性ではなく、今後も物価上昇が続いていくことを想定した値上げへの取り組みを行うことが大事になると思っています。

と同時に、消費者の節約志向が続いていくことも考慮していきたいです。

事業者にとっては難しい判断をしていくことになりそうです。

思い切って顧客ターゲット層を変更するというのも選択肢に入ってくるかもしれませんね。

35歳のときに40年以上続く会社を後継者として 事業承継を行い、6年間代表として経営に携わりました。代表を退任後は、中小企業の事業承継を支援しています。中小企業診断士/ビジネスコーチ
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