『イスラエル 人類史上最もやっかいな問題』(ダニエル・ソカッチ著/NHK出版)
イスラエル・パレスチナ問題を理解したくてこの本を読んでいます。
まだ読み終えていないのですが、あまりにも心が震えたので書き留めておきたいと思います。
この本はイスラエル・パレスチナ問題を理解するためには、本当にいい本です。どうして紛争が絶えないのか、イスラエル、パレスチナそれぞれの思い、周辺国との関係、そういったものがわかりやすく書かれています。
昨日、「11章 イスラエルはラビンを待っている」を読みました。
何十年も紛争が続く中、1992年にイツハク・ラビン氏がイスラエルの首相に再任。その後、周囲の反対もありながら和平のために尽力。1993年にオスロ合意。パレスチナ解放機構(PLO)との和平プロセスが始まりました。そんな中、和平プロセスに反対する勢力の圧力が高まり、1995年に暗殺されます。
この章を読んでいたとき、涙が止まらなくなりました。
こういう混沌とした身動きが取れないような状況で、自分の信念を持って和平交渉に挑んだ方がいたというところに心が動かされました。
暗殺される前、ラビン首相はイスラエル人10万人の前でこう演説したそうです。
「私は27年間、軍人でした。和平の見込みがない中で戦ってきました。今日、和平の見込み、大きな見込みがあると、私は信じます。われわれはこの機会を、ここに立っている人びとのために、そして、ここに立っていない人びとのために活かさなくてはなりません。」(p.192)
ラビン首相が暗殺されたという知らせに、今まで敵対していたPLOのアラファト議長が涙したといいます。
イツハク・ラビンさん。
この方がどういった思いを持っていたのか詳しく知りたくなりました。
アマゾンでこの方の本を探してみると、『ラビン回想録』という本のみ出てきました。古本しかないようですが、これは絶対に読むべき本だと思った瞬間、購入ボタンを押していました。
本を読みながら涙が止まらなくなるという体験は久々でした。
きっと何か今の自分に響く要素があったんだと思います。