0337 『生成AI革命 社会は根底から変わる』

『生成AI革命 社会は根底から変わる』(野口悠紀雄著/日本経済新聞出版)

ChatGPTなどの生成AIがどう社会に影響を与えていくか、とても関心があります。

仕事の仕方がどう変わるか、教育面でどう活用されるか、医療・創薬でどういった効果が期待できるか。

本書では生成AIの可能性を深掘りしています。

生成AIを活用することで、資料の要約や翻訳が簡単にでき、また情報収集力も高まります。

生産性を上げるためには生成AIを活用しない手はありません。

仕事面で特に興味深く感じたのは、生成AIをマーケティングに活用することです。

顧客対応を生成AIで代替することで(生成AIを活用したチャットボットなど)、人材不足を補えるだけでなく、多言語での対応も可能になるため海外展開する企業に大きなプラスになりそうです。

ECメインで海外展開したいと考えている中小企業などは、積極的に生成AIのチャットボットを導入することを検討したいです。

教育面でどのように生成AIが活用できるかも関心があります。

生成AIが家庭教師のような役割になるのではないかと本書で書かれています。

特に教育水準の低い国では、生成AI活用が大きくプラスに働きそうです。

気になった点としては、生成AIの活用有無により格差が広がる可能性があることです。

例えばChatGPTでは、現時点ではGPT3.5は無料で、GPT4は有料(年間240ドル)です。

本書ではこう指摘しています。

「誰もが簡単に払える額でもない。したがって、これを払える人と払えない人との間で、すでに情報処理能力の差が生じてしまっていることになる。(中略)今後登場する生成AIのサービスには、有料のものも増えるだろう。そうなると、それらを使える人は、ますます能力を高め、使えない人が振り落とされていくことになる。」(p.254)

これが教育面でどう影響を与えるかが気になりました。

積極的に有料版を活用して能力を高める子どもが増える一方で、そこに力を入れない子どもは取り残され兼ねない。

著者の野口さんは、すべての人が無料で使えるよう国が補助金を出せば良いのではないかと提案しています。

この発想は面白いと思いました。

生成AIは誤った情報を提供する可能性があり、安全面でも懸念されています。

そういった面は押さえつつ、どう最大限活用できるか考えていきたいです。

35歳のときに40年以上続く会社を後継者として 事業承継を行い、6年間代表として経営に携わりました。代表を退任後は、中小企業の事業承継を支援しています。中小企業診断士/ビジネスコーチ
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