時計を見ると「14:02」だった。
初対面の相手は現れない。
電車が遅れているのかもしれない。
事前に何度も目を通した会社の資料を広げる。
スマホを取り出し画面を見ると「14:15」だった。
まだ相手は現れない。
約束をセッティングした担当者が相手と連絡を取る。
約束を忘れていたらしい。
先日、支援先でちょっとしたトラブルがあった。
事務機器の入れ替えに伴いリース契約の解除をしたが、解約料という形で請求が来た。
間に入っている業者(営業担当〇〇さん)とのコミュニケーションのすれ違いもあり、社長はイライラ感が募っていた。
第三者の私も入り問題解決のための打ち合わせを行うことになった。
「11時半になりましたね。〇〇さんはまだ来ないんですか?」
打ち合わせは11時からと聞いていた。
社長は「11時に来るって話だったんだよ」と言いながら、〇〇さんの携帯に電話をかけた。
「出ないよ。いつも出ないんだよ」
イライラ感が増していくのがわかる。
5分後、〇〇さんから折り返しがあった。
13時までにいけばよいと思っていたようだ。
「13時から外出予定だって言ったじゃないか。日本語もわからないのか」
社長の怒りがおさまる気配がない。
「もう来なくていい!」
受話器の向こうで〇〇さんはどういう心境になっているのかと想像した。
けっきょく、13時になっても〇〇さんは現れなかった。
よくビジネス本で「約束時間に遅れるというのは、相手の時間を奪うことになる」という考えが出てくる。
その瞬間の時間を奪うだけではなく、そこに至るまでの相手の行動すべてを台無しにしてしまうことにもなる。
この約束がないなら、他に違う商談を入れられたかもしれない、違う業務を行えたかもしれない、その日はオフにできたかもしれない。
遅れてしまうなら先に連絡を入れておけば相手も時間を浪費しなくて済む。
約束を忘れるのは・・・論外だ。
そういや、最近気になっていることがある。
やたらと電車が遅れる。
15年前に毎日乗っていたこの路線は電車遅延なんてほとんどなかった。
最近は乗るたびに遅れている気がする。
「△△の影響でこの電車はX分の遅れで到着します。お急ぎのところ申し訳ございません」
いえいえ、時間に余裕を持って乗っているので大丈夫です。
