1223 残っていたコーヒー

8時半、バーガーチェーンのお店でパソコンを開いていた。

腸に負担がありそうなマフィンをコーヒーで流し込む。

1フロアしかないところに客が次から次へと入ってくる。

午後からの打ち合わせ用に資料を作成していると、20代前半の女性店員から声を掛けられた。

「混んできましたので、そろそろ・・・お願いします」

店内は満席でヘッドフォンをした若い女性が立ってコーヒーを飲んでいる姿が見える。

心がざわついた。

なぜ俺?

先週の打ち合わせで不満を口にした人がいた。

「会社から私たち社員を大事にしてもらえていない気がするんです。業務委託のあの人ばかり優遇しているように感じる」

隣の芝生は青く見えるんだよな、と心のなかでつぶやいた。

友人からこんなエピソードを聞いた。

50代で転職を考えた知人が4名いた。

会社への不満があるからだという。

50代の転職で給料が増える、待遇が良くなるのは現実的には難しい。

3名は転職を諦めた。

今の職場で不満をやり過ごすことを学び、ストレスが軽減し、楽しく日々を送っている。

1名は転職した。

給料は下がり、新しい職場でも不満を感じて生きている。

断念組は丸くなり、転職した人はトゲがあるままだという。

油のニオイが壁に染み付く店内で、残っていたコーヒーを一気に飲み干す。

自分より前に入った客のほとんどはスマホに視線を落としている。

「他の人にも言ったらどうですか? 大声で全員に向けて言ったら公平ではないですか?」

ぐっとこらえ、店員の脇を通り外へ出た。

経営経験やコーチングの実践を通じて、深い対話により経営の選択肢を広げ、納得感のある意思決定をご支援しています。また、組織やチームの関係性を育む支援に取り組んでいます。3Cサポーター/中小企業診断士
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