『教養としての「ローマ史」の読み方』(本村凌二著/PHP文庫/2024年)

著者本村さんの『はじめて読む人のローマ史1200年』でローマ史の面白さを感じ、より深く知りたいと思い本書を手に取りました。
ローマ史のおさらいができました。
本書を読んでいて印象に残った点のみ記しておきたいと思います。
キリスト教はイエスの死後すぐに広まったという印象がありますが、実際は200年以上、1%以下だったようです。
そのあとどのようにして普及していったのか。
3つの壁の克服にあるとしています:
・民族
イエスはアラム語を使っていたが、パウロが当時の主要語であるギリシア語へ翻訳できたことが大きい。
・階層
当初は貧しい人の間で広がっていたが、「お金持ちは貧しい人に施しをすることで救われる」という考えにより富裕層を取り込んでいった。
・居住地
信者は大都市に集中していたが、小さな都市や農村部へ住むようになり教えが広がっていった。
そして、ストア派の広がりも指摘しています。
当時の主要哲学にストア派とエピクロス派がありました。
ストア派は「神は人間世界に介入する」とし、エピクロス派は「神は人間世界に介入しない」という考えでした。
ローマではストア派が広がっていきます。
「キリスト教と共通点を持つストア哲学が、三世紀のローマ社会で広く受け入れられていたことが、キリスト教を受け入れる精神的土壌の一つになったと考えられるのです。」(p. 486)
今年に入り、西洋哲学の流れを学び始めました。
数冊読んだだけではなかなか理解できません。
でも、このように世界史を見ていくなかで哲学との関連性に触れることができると、復習になりますし、多面的に理解が深まる気がし、気持ちのいいものです。
少しずつ哲学にも戻りつつ、いずれ宗教というものを歴史とともに俯瞰できたらと思っています。
