思っている以上に書けない。
−−− 漢字。
読める漢字も、実際に書いてみろといわれると心許ない。
「溢れる」、「鬱憤」、「頬」、「眺める」、「惚れる」・・・。
形のイメージは思い浮かぶけども、細部になるとあやしくなる。
向田邦子さんの短編を筆写していて感じたことです。
大学生のとき日本語の家庭教師をしていたことがあります。
60歳前後の米国人エドは、サッカーが大好きで2002年の日韓ワールドカップを日本で観るため日本語を学んでいました。
「その漢字は難しいね」と言うと、エドは笑いながらこう返しました。
「俺には難しくないよ。覚えるだけだから」
普段使わない漢字は「難しい」と感じてしまいますが、外国語として学んでいる人からすると数ある漢字のひとつなだけなんですよね。
「薔薇」も覚えて使い続けていれば難しいとは思わない・・・たぶん。
2、3日前に耳鼻科へ行ったとき、問診票でペンが止まりました。
「現在飲んでいる薬はありますか?」で「はい」に◯をつけると、「薬の名称(必須)」とありました。
「せいちょうざい」と「腸」まで書いてはみたものの、なんだか字があやしい。
「剤」も微妙で、けっきょく「整腸薬」にして受付に渡しました。
診察で医師が問診票を見ながら「整腸剤を飲んでるんですね」と言ったとき、整腸剤って書くべきだったかな、腸って漢字は間違っていなかったかなとそんなことばかり考えていました。
薬局でも問診票を書かされ、ここでも恐る恐る「整腸薬」と書き・・・。
家に帰るまでずっと「腸」と「剤」がこびりついていました。
書き慣れていないとここまで自信が持てなくなる。
短編の良さを理解するためにはじめた筆写。
漢字の復習にも良さそうです。

