『関係の世界へ』(ケネス・J・ガーゲン著/ナカニシヤ出版/2023年)

対話型組織開発の土台となる「社会構成主義」の第一人者であるガーゲンさんの本です。
「分離」から「関係」へ。
ガーゲンさんの著書『関係からはじまる』に書かれている内容をわかりやくコンパクトにまとめた感じの本で、入門書としておすすめです。
「対立」というテーマが印象に残りました。
「関係の視点に立つなら、対立は、正常な状態からの逸脱ではなく、世界中の人々がより満足のいくかたちで強調しようとするがゆえの当然の帰結なのです。(中略)対立は学びの機会となります。」(p. 147-148)
対立はないほうがいいと思いがちになりますが、対立があることで相互理解が可能となる。
日常的な対立だけでなく、国家間の対立もそうです。
ただし、そのためには関係のプロセスのあり方が大事になります。
「関係に基づく平和構築の多くの革新的実践」として、5つの論理が簡単に紹介されています。
- 危険なダンスから降りる
- 生成的なシナリオを呼び込む
- 新しい現実を創造する
- 共通認識を生み出す
- 他者になってみる
「対立」というテーマを読んでいて、国家間などの対立をどう仲介するかに興味をおぼえました。
個人間であれ、会社組織であれ、国家間であれ、根本の考え方は共通しています。
ガーゲンさんのいう「関係」という視点から物事をみることで、お互いに理解し合えるものがあるのではないか。
「既存の関係の結び方が、人間や環境のウェルビーイングを高めるものになっているかが重要なのです。現在の関係は誰に取って有利なのか、それによって苦しんでいるのは誰か、地球上の生命にどんな影響を与えているのか。」(p. 145)
価値観や物の見方が異なるグループをどう相互理解に導けるか。
深堀したくなりました。
