シリアのアサド政権が崩壊したというニュースがありました。
反体制派が11月末から大規模攻勢を始め、8日に首都ダマスカスを制圧しました。
アサド政権下での圧政により、多くの市民は苦しい生活を強いられてきました。
そういう意味ではアサド政権が崩壊したことは好意的に受け止める向きもあります。
ただ、今後どうなっていくのでしょうか。
同じようなことを繰り返すのではないかという不安は残ります。
現在、『国家はなぜ衰退するのか』を読んでいます。
ノーベル経済学賞を受賞した著者による本です。
この中で、収奪的制度を有する国は「悪循環」に陥るという内容が出てきます。
収奪的制度とは、一部の人々や団体が富や権力を独占し多くの人々が搾取される制度を指します。
このような制度のある国は、たとえ前の独裁者を打倒して政権を引き継いでも、権力の行使に対する抑制がないため同じようなことが起きる可能性が高いことが示されています。
これを「悪循環」と言っています。
シリアのニュースをこの本の内容と重ねて見ています。
今朝のFINANCIAL TIMESの記事の中で、「やっと初めて息ができるようになった。これで自分の生活が築ける」という20代の市民のコメントが紹介されていました。
こういう人たちが本当の意味で自分の生活が築けるようになってほしいと願っています。