『戦争の地政学』(篠田英朗著/講談社現代新書)
地政学について知りたくて読んだ本の2冊目です。
私には難しい内容でした。歴史の知識があった方がより理解が深まります。
世界情勢がどういった考えで動いているかの一端を知ることができた気がします。
世界各地で紛争が起きているニュースを見るたびに、「なぜ紛争が起きるのだろうか?」、「どうして指導者はこういう道を選ぶのか?」といつも疑問に思います。
特に平和な日本で生まれ育っていると、こういった出来事が別世界のように見えてきます。
そして、現実より理想に傾きがちになってしまう。
本書では違った物の見方を提供してくれます。
地政学の視点で物事を見るということも興味深いですし、それが各国の政策の土台に、または影響を与えていると考えると、非常に面白い。
過去に起きたこと、現在起きていること、それらを地政学の視点で見てみると、地政学理論に基づく「世界観」の違いで説明ができるというところが面白かったです。
著者の篠田さんが本書の最後で述べていることが印象に残りました。
「地政学は、共通の世界観を持つ人々が、単なる利益計算にしたがってのみ争っているような世界だけ描写しているのではない。むしろ根本的に異なる世界観を持つ人々が、世界観をめぐるレベルにおいてこそ争っている様子を、明らかにするのである。」(p.209)
どんな世界観があるにせよ、国を率いていくリーダー個人として、どのような価値観を持ち、どういった信念で行動を起こしているのか。
その「個人レベル」の深掘りをしたくなりました。