スタッフ5人以下の美容室はこの補助金を活用しよう|販促に活用できる「小規模事業者持続化補助金」

こんにちは、3Cサポートの平山です。

美容室で活用できる補助金に関して解説します。私は以前、美容業界に関わっていたこともあり、美容室の補助金申請を何度もサポートしています。

「補助金に関して話は聞いたことあるけどイマイチわからない」というスタッフ5人以下の美容室オーナー向けに書いています。参考にしてください。

目次

美容室が活用できる補助金

補助金と助成金の違い

「補助金」という言葉や「助成金」という言葉があります。どちらも同じようなものとして認識しているかもしれませんが、少し違うので解説します。こんなもんだというくらいに認識しておくと、今後補助金や助成金を活用するときの参考になります。

補助金: 予算が決まっているため、申請しても採択されないことがある

○ 助成金: 要件さえ満たしていれば、ほぼ給付される

補助金は申請しても給付が受けられないことがあり、助成金はほぼ受けられます。

ここだけ認識しておくといいと思います。

補助金で申請が通らないことがあるというのは、審査があるということです。つまり、「通るくらいしっかりした申請書を作成しないといけない」ということになります。他の申請書よりもよく書けていないと採択されにくくなります。

一方、助成金は要件さえ満たせばほぼ通ります。多くの美容室で利用している助成金のひとつが「キャリアアップ助成金」です。一定の条件をクリアすればお金が入ってきます。助成金は、雇用(職場環境、就業規則など)に関することが対象になることが多いです。

国の補助金

補助金は国が提供しているものと、都道府県や市区町村単位で提供しているものがあります。

美容室が利用しやすい代表的な国の補助金としてはこの3つです。

① 小規模事業者持続化補助金販促に活用できます。スタッフ5人以下の個人店に適しています。
② IT導入補助金ITを導入することで業務効率化を図るものです。
どちらかというとグループ店の方が使い勝手が良さそうです。
③ 事業承継・引継ぎ補助金事業の経営を後継者へ引継ぐ際に活用できます。

①の「小規模事業者持続化補助金」に関してはこのあと解説します。

都道府県の補助金

国の補助金以外にも、都道府県ごとでいろいろな補助金があります。東京など予算の多い地域は補助金も充実している傾向にあります。

補助金の調べ方

国の制度に関しては、「ミラサポplus」というサイトに情報がまとまっています。

(「ミラサポplus」ホームページ)

自分のお店の地域でどんな補助金が利用できるか確認する場合は、「J-Net21」というサイトがおすすめです。補助金以外にも助成金や融資などの情報も載っています。

(「J-Net21」ホームページ)

美容室の販促には「小規模事業者持続化補助金」

ここでは美容室が利用しやすい補助金をご紹介します。

「小規模事業者持続化補助金」という長いネーミングの補助金があります。これの良いところは、ホームページやチラシ作成など販促に利用できる点です。

対象店舗

補助金を申請できるお店は「常時使用する従業員が5名以下」であることが条件になります。

フルタイムのスタッフが5名以下と考えておくといいと思います。オーナー、産休中のスタッフ、パートスタッフ(条件により)は数には含みません。お店が複数ある場合は、合計のスタッフ人数になります。

対象となる経費

この補助金は販促が対象になります。例えば、ホームページ作成、インターネット広告、SNS、SEO対策、商品販売のための動画作成、ポスティング用チラシの作成、DM送付、店舗改装などです。

インターネット関連や店舗改装でも活用できるのは嬉しいですよね。また、バリアフリー化工事を考えている美容室も多いと思うので、その際にはこういった補助金を活用することをおすすめします。

「補助率」と「補助上限額」

補助金には「補助率」という言葉が出てきます。これは、かかった経費のうちどのくらいの割合で補助されるかということです。

例)補助率 2/3の場合

使った経費: 90万円

補助される額: 60万円(90万円x2/3の割合)

「補助上限額」という言葉も出てきます。これは、補助される上限額になります。

例)補助率 2/3  補助上限額50万円の場合

使った経費: 90万円

補助される額: 50万円(90万円x2/3の割合=60万円ですが、上限額の50万円のみ補助されます)

「小規模事業者持続化補助金」は、「通常枠」「賃金引上げ枠」「卒業枠」などいくつか「枠」があり、どれで申請するかで補助率と補助上限額が異なります。

どの「枠」で申請するかで補助される額も大きく変わります。補助される額に応じて取り組みたい内容も変わってくると思います。ただし、「枠」によってクリアしないといけない条件がありますので、丁寧に選んでいくことをおすすめします。

(令和3年度補正予算「小規模事業者持続化補助金(一般型)」公募要領から抜粋)

美容室の補助金活用事例

参考までに、私がサポートした美容室の「小規模事業者持続化補助金」活用事例の一部をご紹介します。

事例①:店舗リニューアル

  • 個人店(オーナー、奥様、スタッフ1名)
  • 場所: 埼玉県
  • 補助された額: 50万円

店舗のリニューアルに伴う経費に補助金を活用。お店の内装変更、ホームページリニューアル、チラシ作成、DM送付を行いました。

店舗リニューアルをするタイミングでこの補助金を活用することになり、お客様へどう新しい価値を伝えていくかという視点で取り組み内容を決めました。

事例②:オンラインカウンセリング

  • 個人店(オーナー、奥様)
  • 場所: 東京都
  • 補助された額: 100万円

オンラインカウンセリング設置にこの補助金を活用。

コロナ禍ということもあり、同じ時間帯にお客様は1人のみの予約にしていました。特に新規のお客様へのカウンセリングに時間を割きたかったのですが、予約枠を1名にしていることで十分な時間が取りづらくなってきました。

そこで、新規のお客様にはあらかじめオンラインカウンセリングという形で要望やお悩みを聞くことにし、ホームページを改修してツールを設置しました。

また、来店頻度が減ったお客様に対し、サロン専売品の注文をホームページで受け付け、メーカーから発送してもらう仕組みも構築しました。

事例③:新メニュー導入

  • 個人店(オーナー、奥様、スタッフ2名)
  • 場所: 千葉県
  • 補助された額: 50万円

新たに育毛促進のメニューを導入する際にこの補助金を活用。

新規集客と単価アップのために育毛促進メニューを提供することにしました。新しいメニューを告知するため、既存のお客様へのハガキ送付、新規集客用のチラシ作成とポスティングを行いました。

また、チラシを見た新規のお客様がお店のホームページを見ることも想定し、ホームページをリニューアルしました。

まとめ

スタッフ5人以下の美容室は「小規模事業者持続化補助金」が活用できます。いまやインターネットやSNSでの集客が当たり前になっている中、そういった取り組みにもこの補助金が活用できるので店舗の運営には助かりますよね。

「小規模事業者持続化補助金」は毎年ある定番の補助金なので、お店として改装する予定があるときや、何か新たに販促に取り組みたいというときにぜひ活用してください。

35歳のときに40年以上続く会社を後継者として 事業承継を行い、6年間代表として経営に携わりました。代表を退任後は、自身の経験をもとに東京都を中心に中小企業の事業承継を支援しています。中小企業診断士/M&A支援機関登録/やまなし産業支援機構派遣登録専門家